花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】『楼蘭』―黎翔編― 38 ※要注意!古代パラレル

    楼蘭






    黎翔達が跳ね橋を通過中に
    陽気な門番が呼び止めた。

    「旅の方、比龍王への謁見と言っておったな。
    今日の謁見の時間は、もう過ぎた。

    今夜はどこかの宿で一泊して
    明日、王宮へ行くとといいだろう」

    「ありがとう!
    そうするよ」

    いつの間にか、すべて沈んだ太陽。
    涼しく澄んだ夜風が吹き渡る。

    楼蘭の街は、夜の顔を見せ始めていた。

    様々な国の言語が飛び交い、
    肌の色・髪の色・瞳の色が違う沢山の人々で賑わう街は、
    明るく活気に満ちていた。

    王宮に続く大通りだけでなく
    街の人々が普段使う生活道路にも
    ふんだんに篝火が灯り、エキゾチックな町並みの濃い陰影を作る。

    異国情緒溢れる国際貿易国家の一面を、早くも見せていた。

    色町の女たちは、カラフルな薄絹で客を手招き誘う。
    その白く細い腕(かいな)で、長旅に疲れた男たちを慰めた。

    酒場から、賑やかな笑い声。
    酒場から、あぶれた客たちは通りにある屋台で、
    お互いの旅の無事を祈り、一期一会の出会いに感謝して、
    酒を酌み交わして陽気な酒宴が行われていた。

    時には、夜の女たち向けに、
    様々な絹織物や宝飾品を客に見せる露店を構え、
    ちゃっかり連れの男客に買わせて、商売をしている商人も居た。

    混沌とした活気溢れる楼蘭の街


    天空に浮かび輝く美しい月
    浮かび上がる巨大な月影を街に落とす
    楼蘭の街の奥に、静かに眠るように佇む王宮とストゥーパ

    秘密を握る比龍王の居城は、夜に存在を示す。


    黎翔たち一行は大通りに面した1階に大きな酒場のある
    比較的治安の良さそうな宿に決めて、早々と明日の謁見に備えた。

    宿の者は、駱駝たちを酒家の裏手に連れて行き
    水と干草を与え、砂漠越えを労うのだった。



    …………黎翔編・39へ 続く



    2016.03.08.改訂
    2012.09.02.初稿 
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