花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】楼蘭 ―王宮編 34 ※ 要注意! 古代パラレル 王宮編 完

    楼蘭






    蒋(しょう)将軍に優しく背を撫でられながら、夕鈴は昔を思い出していた。

    あれは母を亡くした12歳のある日。
    楼蘭王国に突如現れた東の大帝国・漢の軍勢。

    統率された押し寄せる人の波。
    圧倒される漢の軍事力。
    その軍を束ねる、初めて見た漢の皇帝。

    煌びやかな鎧・兜を身に付け
    雄牛のような大きな軍馬に跨り、夕鈴を馬上から見下ろした。

    「そなたが、楼蘭王の娘、夕鈴姫か?
    なるほど母親に、面差しがよく似ておるな……」

    夕鈴に興味がひかれた武帝は、
    馬上から降りて、夕鈴に近付いてきた。


    「髪の色は、父譲りか。
    藍鈴姫(あいりんひめ)は美しい黒髪だったな。
    だが、そなたは綺麗な金茶の髪をしておる」

    冷たく値踏みされるような武帝の視線。
    不躾なほど、しげしげと見られて、亡き母と比べられる夕鈴。

    冷たい視線に晒され……
    ただ武帝に対し“怖い……”という感情がうまれていた。

    「国を救いたいか!? 
    夕鈴姫」

    突然の武帝の問いに、幼き日の夕鈴姫には、すぐに理解できない。
    何も答えられず……武帝の話だけが、淡々と先に進んでいく。

    圧倒的な国力の差を見せ付けられて
    夕鈴が、選ぶべきものは何もなかった。

    「選べ。
    国の未来か!?
    …そなたの未来か!?」

    ……っ

    「国を選ぶなら、そなたは私に嫁ぐがよい。
    さすれば、祖国は余が守ろう。
    断るのなら、この場で楼蘭王国を滅ぼす。

    嫌なら私の寵妃になるがいい……
    どちらを選ぶ?
    夕鈴姫」

    拒否権など、もとより無い。
    はじめから質問の答えなど、わかっている茶番だった。

    「私の国を守ってください……」

    青ざめ震える12歳の夕鈴の幼い唇に、武帝の唇が触れた。
    冷たい契約の口付けだった。

    武帝との口付けは、閉ざされた未来の契約。
    背筋につめたい冷や汗を感じて、ガタガタ震える眠れぬ夜を過ごしたあの日。

    あの日と同じ戦慄と悪寒。
    武帝との忌わしく重い記憶が蘇るごとに、
    思い出すのは黎翔との甘やかな口付けの記憶。


    ――――黎翔様っ!!!

    夕鈴は遙か遠く……砂漠を旅する楼蘭に向かう愛しい黎翔に想いを馳せ、
    新たな涙を流すのだった。

    彼女もまた、定められた運命の道を歩み始める。

    幼き日から彼女をずっと守っていた、ロブ=ノールの離宮を離れ……
    産まれ故郷・父王の待つ王宮へと旅立つのだった。


    ―王宮編・完―

    …続く。



    2016.03.04.改訂
    2012.08.31.初稿
    次の楼蘭の都に黎翔がなかなか辿りつかない。
    また、砂漠を迷っているのかっ!!!←また迷子?

    タネのつらつら帳をぱらぱらと・・・衝撃!!!
    武帝が、夕鈴姫の初キッスのお相手!!!
    ごめん、夕鈴姫。
    しかも初キッスも二度目もどちらも、唇奪われてる←隙だらけなのかな
    黎翔残念だったねぇ。初キッスのお相手でなくて・・・残念。←黒い微笑み
    で・・・盛り込みました。

    2012年
    09月01日
    09:49
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    22:NoTitle

    素敵でした!!
    夕鈴姫が行っちゃうよ~(゚Д゚;)
    黎翔早く~~~

    黎翔編楽しみにしてますね!

    2013.01.29 13:36 陽向 #- URL[EDIT] 返信
    23:Re: NoTitle

    陽向さん
    こんにちは
    コメントいつもありがとうございます。

    楼蘭、本当に楽しみにしてくださってありがとうございます。

    陽向さん ごめんなさい。
    これから数日、ブログを更新できないかもしれません。
    隙間時間に、更新しようと思いますが確約できません。
    じりっじりで、お待ちくださいね。
    詳しくは、徒然日記をお読みください。

    2013.01.29 17:53 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    2012:

    わーん(>_<)
    夕鈴姫かわいそう…
    え、黎翔さん迷ってるの?実は方向音痴?σ^_^;
    そして、初キッス奪われてたとは!
    ううーん、続きがドキドキです。

    2016.03.04 19:18 まるねこ #- URL[EDIT] 返信

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