花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】楼蘭ー離宮編ー28  ※要注意!!!古代パラレル  離宮編・完

    楼蘭 




    白み始めた天空の空
    まだ朝陽が昇らぬ ロプ=ノール湖畔。

    先ほどまで輝いていた星鏡は、もう湖面のどこにも無い。
    夜のヴェールから昼の装いへと……刻々と変化する湖。
      
    ロプ=ノールに、また新しい一日が始まろうとしたいた。


    水面に、静かに影を落とす一対の青鷺。
    あの日の青鷺なのだろうか?

    水中を探り、仲睦まじく寄り添い歩く。

    どうやら、朝食の時間らしい……
    静かに凪ぐ朝の湖面に、穏やかな風が吹く




    腕の中の姫の温かなぬくもりが、今は切なく辛い。

    黎翔は、確かな絆が欲しくて彼女を抱き締める。
    君は私と、心通わせる時間をくれなかった。

    未だ、涙の痕が残る頬を優しく撫でる
    滑らかな手触りと柔らかな頬の感触。

    切ない想いが、黎翔の心を
    キュッと締め付けた。






    昨夜の切ない嗚咽の声と、抱きしめた彼女の肩の震え
    星鏡のロプ=ノールに 儚く消えたその美しい涙

    抱きしめて、抱き寄せても……
    かき消えてしまうのではなかろうかと、不安になって、
    何度も何度も、彼女を抱き寄せ口付けた。

    触れあう温もりだけが、彼の確かだった。

    もうすぐ朝陽が昇る
    生き物たちの寝覚めの気配。

    楼蘭の首都「楼蘭」への出立の刻限が迫る
    未だ目覚めぬ、愛しい人との別れの時間が恨めしい。

    陽が昇れば、白陽国・国王 珀 黎翔と 
    楼蘭王国 王女 夕鈴姫に、戻らなくてはならない。

    陽の光が、湖水を輝かせるまで、あと数刻なのが恨めしい
    二人が、背負うべきしがらみが無い刻を過ごせる時間は、あと僅か。







    黎翔は、未だ目覚めぬ愛しい人に口付ける。

    ――――涙で彩られた睫が、美しく煌く瞼に……

    ――――柔らかな曲線に沿って、いまだ消えぬ涙の痕が残る頬に……

    ――――朝日に輝く、朝露に濡れたようなバラ色の唇に……

    黎翔は、僅かな時を惜しんだ。

    番いの鳥が優しく相手を啄ばむように、黎翔が夕鈴に口付けを贈る。




    ……君の憂いは、僕が晴らす。
    夕鈴、君を愛してる。
    ……誓おう
    必ず君を迎えに来るから……






    新たな願いを叶える為に……首都・楼蘭へ
    すべての鍵は、彼女の父。
    楼蘭国王・比龍王が握る。

    朝日が、ロプ=ノールを輝かせる。
    夜明けの湖は、青空を映し始めた。

    輝く青の湖面から、澄んだ風が二人を包む。

    すでにロブ=ノールの運命の車輪は、
    強く二人を結び付けて、静かに廻り始めていた。


                    ー離宮編・完ー


    ……離宮編・外伝1へ 続く

    ……本編・王宮編 29へ・続く


    2016.02.25.改訂
    2012.08.29.初稿
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    20:NoTitle

    わぁぁ(*´▽`*)
    離宮編終わりましたね!王宮編も楽しみにしてますねー!!

    2013.01.24 19:20 陽向 #- URL[EDIT] 返信
    21:Re: NoTitle

    陽向さん
    おはようございます
    さくらぱんです

    楽しんでいただいてる様子で、大変嬉しいです。
    お待ちくださいませーー!!!

    2013.01.25 08:26 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信

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