花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】楼蘭ー離宮編ー27  ※要注意!!!古代パラレル

    楼蘭 



    黎翔の腕の中で気絶するかのように、意識を手放した夕鈴。
    その顔は悲しみに満ちて、未だ止まらぬ涙が頬を濡らす。

    意識を失う間際に
    ようやく聞き出せた彼女の秘密

    ぽつり……ぽつり……と、ところどころようやく聞き取れた。
    彼女の言葉の欠片を繋ぎ合わせると……
    どうやら国の為に、何処かへと嫁ぐらしい。

    嫁ぎ先が決まった娘は、他の男の目から隠される。
    楼蘭国王が愛娘を、この離宮に隠したのもそんな理由からだろう。

    黎翔の衣服を、しっかりと握り締め、彼にすべてを委ねる夕鈴。
    国の命運を一人で背負うつもりだったのだろう。
    楼蘭王女としてのプライドが、そうさせたのかもしれない。



    まだ……間に合う。
    君は、未だ嫁いではいない。
    君の憂いを、取り除くとあの日決めていたんだ。

    夕鈴……待っていて。
    必ず私のもとへ
    白陽国に連れて帰るから……



    華奢な彼女の身体を抱え直し、その瞼に口付けた。
    震える睫に夜露のような大粒の涙が、ひと粒輝く。
    黎翔の唇に触れて消えた、その涙は彼女の切ない悲しみの味がした……

    痛々しいその姿に、黎翔は決意を新たにするのだった。



    ……28へ・続く


    2016.02.24.改訂
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