花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】楼蘭ー離宮編ー20  ※要注意!!!古代パラレル

    楼蘭






    「姫…ひとつ。
    願い事があるのだが……」

    「……?
    何でしょう?
    私に出来ることがあれば、なんなりと……」 

    引き寄せた柔らかな手に恭しく口付けると
    やや緊張した面持ちで、擦れた声で夕鈴姫に囁いた。

    「夕鈴姫……・
    私はこの数日の間に、夢のような時をここで過ごすことができました。
    それは貴女との出会いが、もたらした幸せ。

    この数日の間……・
    私は貴女の信頼を得られましたでしょうか?」 

    黎翔は、ひと言ずつ区切り夕鈴姫に囁いた。
    姫の返事を真摯に待った。

    姫の手に自分の手を重ね目を閉じて、その時を待つ。
    気分は、審判を待つ者のようで、ドキドキと不安な動悸が治まらない。

    「はい。
    私も楽しゅうございました」

    「最初は、盗賊かと思いましたが……・
    今では信頼しております、珀 黎翔殿」

    姫の言葉に、黎翔は喜んだが。
    しかし、黎翔は切なげに柳眉を寄せた。
    再び、姫の白い指先に口付ける

    「夕鈴姫……ありがとうございます。
    では是非“名前”で呼んでいただきたい。
    ……「黎翔」と」

    真っ直ぐな焔の瞳が彼女を映す。
    その力強い瞳に、夕鈴姫は魅入られた。
    重ねられた黎翔の手を、熱く感じたのだった。

    夕鈴姫は乞われるがまま、舌に黎翔の名を乗せ、呟いてみる

    「・・・・れい・・しょう・・・どの」

    「ただの黎翔でよいのです。
    姫」

    「・・・・れいしょ・・・う・さま」

    「それでは、先ほどとかわりませぬ。
    黎翔と!」

    「……れ…いしょう」

    「黎翔」

    姫の口から紡がれる自分の名
    その甘美な響きに、黎翔は心から笑みが零れた。

    夕鈴姫は、乞われるがまま何度も名を呼んだ。
    名を呼ぶ度に、小犬のように嬉しそうに笑う黎翔。
    辺境の神殿に居る自分に、まして訳ありの姫に言い寄る異性など居ない。

    自分が、名を呼ぶだけでこんなにも喜ぶ男性を夕鈴姫は見たことが無かった。
    彼の笑顔に魅力を感じてドキドキとする甘酸っぱい感情の名を知らずに……
    夕鈴姫は、目の前に居る黎翔に頬を染めて、繰り返し彼の名を呼んでいた。

    生まれて初めて名前だけで呼んだ異性の名に…………自分が驚く。
    黎翔という名前を舌に乗せ、もう一度、目の前の青年を呼ぶ

    「黎翔」

    夕鈴姫は、その名の持つ
    意外な効果と甘い響きに次第に酔いしれていった……。

    自分に呼ばれて、本当に嬉しそうに微笑む黎翔。

    客人としてしか意識していなかった黎翔が、
    夕鈴姫の中で一人の男性として認識された瞬間だった。

    ……21へ・続く



    2016.02.17.改訂


    穴があったら入りたい~~
    気分は、そんな気持ちです。

    あまり手直しできなかったな。
    異性に免疫の無い超箱入りの姫は、陥落しやすいのかもしんない。
    そう思ってたんだろうな。
    うん。
    設定、変更無しで・・・←いいのか。
    関連記事
    スポンサーサイト

    管理者にだけ表示を許可する