花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】楼蘭ー離宮編ー18  ※要注意!!!古代パラレル

    楼蘭






    部屋に近づく 密やかな衣擦れの音
    上品な花の優しい香りが黎翔の鼻をくすぐる

    部屋の入り口に立て掛けてある
    繊細な透かし彫りの衝立の向こうに、チラチラと隙間見える淡い女物の衣の色。

    いやが応にも、彼の期待は切ないほどに高まっていく。
    それだけで愚かな恋心は、彼の胸をドキドキと高鳴らせていた。




    ……シャラン。

    女主人の登場を期待させる
    涼やかな貴金属の擦れた音が、広間の場の空気を一変させた。


    夕鈴姫の登場を知らせる 
    控えめな侍女の先触れの声が広間に響く。

    黎翔は逸る気持ちを押さえきれず、彼女を入り口まで出迎えた。

    夕鈴姫は、普段の慎ましやかな衣装とは違い、
    今宵は、出会いを彷彿とさせる胸元を大きく開けた女性を意識させる衣装で現れた。

    歩くたびに、チラリと幾重にも重ねた薄紅の薄衣から、スラリとした白い脚が透けて……
    今宵の大胆な姫の衣装に黎翔は、ますます胸の鼓動が跳ね上がるのを抑えられなかった。

    美しい花の顔(かんばせ)は、瞳を伏せ気味にして頬に睫毛の濃い影を落としている。
    感情豊かな瞳は今は影になり見えない。
    篝火に揺れる睫の影さえも、黎翔には愛おしい。
    白檀に螺鈿細工の扇で、目元から下の顔が隠されていたが上品な姫の美しさは隠しきれなかった。

    印象的な彼女の白い額(ひたい)に、映える鮮やかな紅の赤い花押(かおう)。
    伏せ気味の目元にも 同じ色で化粧が施され、赤い縁取りがなされていた。
    エキゾチックで、艶ややかな目元。


    篝火に輝く豊かな金茶の髪は、半分を背に流し、もう半分を複雑に高く結い上げている。
    金と銀と七宝の玉を連ねた長い簪を数本髪に挿していた。
    背に流した髪に沿って連なる玉の飾りは流れ落ち、彼女が首を傾げる毎にシャラ…シャラとした涼やかな音を鳴らす。
    耳元の髪には、あの日湖で咲いていた一輪の赤い花が、髪に彩りを添えて、かぐわしい香りを薫らせていた。

    舞姫のような見たことも無い、柔らかな色彩が溢れる繊細な衣装。

    異国情緒溢れる薄い布は、幾重にも豪華に色を重ね、
    下に着ている 絹の薄紫のドレスを 透けて見せている。

    特に胸元が大胆だった。
    まろみを帯びた双丘が1/3見えており、柔らかく身体を包む。

    開いた胸元には、七宝とカットされた宝石が輝く。
    繊細な金細工のネックレスが胸元に華をそえていた。

    細かい鳳凰の刺繍が施された羽織ものは
    薄羽根の蜻蛉のごとく透けており、細い手足も華奢な手首も透けて見える。
    黎翔には、彼女自身が華やかに輝く宝玉のように見えた。

    先ほどの入室前の涼やかな音の正体は、
    華奢(きゃしゃ)な手首に、幾重(いくえ)にも重(つら)ねられた、繊細で細い金細工の腕輪から……
    彼女が動くたびに涼やかな綺麗な音が奏でられた。

    黎翔は彼女を迎え入れる為、夕鈴姫に手を差し出した。

    「珀 黎翔殿。
    出迎えありがとうございます。
    お待たせ致しましたか?」

    夕鈴姫の鈴の音のような可愛いらしい声が、黎翔の胸を喜びで満たした。
    差し伸べた黎翔の手に、そっと重ねられた優美な白い小さな手。

    扇で隠されていた花の顔(かんばせ)が現れた。
    匂いたつがごとく上気したバラ色の頬。
    うっすらと色づき密やかに生きづく、陶磁器のような滑らかな白い肌。

    夢見るような柔らかなはしばみ色の瞳は、黎翔を間近で見つめていた。
    彼だけを見つめる視線に、黎翔は胸を熱くさせる。

    愛しの姫の登場に、黎翔はうまく言葉が出ない。
    言葉の代わりに重ねられた手に、ゆっくりと賛辞の口付けを贈った。



    ……19へ続く


    2016.02.14.改訂
    2012.08.21.初稿

    携帯の文字制限の中、さくらぱんは がんばりました。のちほど、PCで手直しします
    離宮編は、皆さん宴の姿かなと思いまして…でも何を食べさせればいいのか分からず。
    食後のまったり時間にしました。  
                                2012.8.21.さくらぱん
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    2003:

    夕鈴のお召し物の描写、とても素敵です!
    シャラララ〜*・゜゚・*:.。..。.:*・'

    お話読み進めながら、口づけ送って欲しいなぁ と思っていた所のこちら!
    じゃん!
    重ねられた手に〜(*^^*) ありがとうございます!


    旦那様の転勤、かなり心痛お察しします‥!
    心痛もですが、身痛のほうもですよね(涙)
    さくらぱんさんは無理せざるをえない!
    あぁ、重なりすぎですね(涙)←二回目

    2016.02.14 10:07 タイフーンです(≧∇≦) #- URL[EDIT] 返信

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