花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】楼蘭ー邂逅編ー 16  ※要注意!!!古代パラレル     邂逅編・完

    楼蘭







    黎翔は、夕鈴姫の身体を気遣い 声をかけた。

    「夕鈴姫。
    もう、そろそろ水から出た方がいい。
    夜が近づいている。
    あなたの身体に良くない」





    黎翔からの指摘により、
    夕鈴は自分の身体が、震えていることに初めて気が付いた。
    それと同時に、自分がどんな姿で彼と相対峙していたのかを知る。

    夕鈴姫は自分の姿に、ハッ…と気がつくと、
    羞恥で大きく身体が震えだした。

    気付いた途端に、
    ガタガタと大きく膝が震えて、膝から崩れ折れそうになる。

    かろうじて踏みとどまったのは、せっかく乾いた衣が
    水に透けるのが嫌だったから……

    同時に、全身が朱に染まる。
    恥ずかしすぎて・・・景色が涙で滲んだ。

    突然の夕鈴姫の様子に、黎翔が姫に駆け寄ろうとした。

    「来ては、ダメっ!!」

    羞恥に震える彼女の必死な叫びに、黎翔の足が止まった。

    「珀殿……わたくしは、大丈夫。
    ……しかし、このままでは、
    わたくしは、水からあがれません」

    「しばらくの間、わたくしが良いというまで
    ……砂漠の向こうを、向いていてくれませぬか?」

    全身を朱に染めて必死でお願いしている夕鈴姫。
    先ほどの威厳も、神々しさも、今は微塵も感じられない。

    今すぐ、恥ずかしくて消え入りたい。
    そんな彼女の気持ちが、黎翔には感じられた。

    (……面白い)

    姫君にしては、素直すぎる感情の機微を黎翔は気に入った。
    嘘をつけな性格らしく、鮮やかに表情が生き生きと変わる。

    可愛らしい彼女の仕草が庇護欲をそそる
    今頃、恥ずかしがるその様子に、黎翔は苦笑した。

    なんと、アンバランスな姫だ。

    夕鈴姫の願いを叶えるべく、少し離れて黎翔は湖を背にした。

    「ああ……すまなかった。
    後ろを向いたが、これで良いか?」

    「……はい。
    では、そちらに参りますゆえ、
    身支度が整うまで、そうしていてくださいませ」




    夕鈴姫のたてる水音を聞きながら、
    こみあげる笑いを押さえ切れない黎翔だった。


                 ー邂逅編・完ー


    ……離宮編・17へ



    2016.01.26.改訂
    2012.11.20..初稿



    邂逅編をあと一枚で移設完了というときに寝落ちしました。
    おもいっきり、寸止めだわ・・・ごめんなさい。
    引き続き楼蘭『離宮編』をお楽しみください。  2012.01.18.さくらぱん
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