花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【本誌設定】猫になりたい……

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    陛下のお願いは
    いつも唐突で、私は時々困ってしまいます。


    「夕鈴。
    お昼寝するから膝枕してくれる?」

    小犬陛下の可愛らしい?
    おねだりで、その日の午後は始まった。

    「えっ!
    いま、此処で、です、、か?」

    「そう!
    今すぐ」

    「だって、
    ここ執務室ですよ」

    「問題ないよ。
    夫婦が仲良くしているのを見ても、
    誰も何とも思わないさ……」

    日当たりのよい南側の窓を開けて、
    近くにあった長椅子を窓辺に引き寄せた。

    いそいそと昼寝の支度をする陛下に、
    私は呆然と固まってしまった。

    職場で昼寝なんて、本当に平気なの?

    ぽすんぽすんとクッションを叩いて、
    陛下が、これでよしと私を手招きする。
    どうやら、そこに座れと言うことらしい。

    ぐずぐずと迷っていたら、
    急に陛下の機嫌が急降下した。
    眼差しが鋭くなる。

    「君は猫なら簡単に膝に乗せるのに。
    私はダメなのか?」

    ……は?

    突然の態度の急変と話の展開についていけず、
    私は固まったまま陛下を仰ぎ見た。

    「昨日、君は後宮に迷いこんだ仔猫を
    膝にのせたと聞いた。
    私は猫より下なのか?…………」

    だ、誰から聞いたの?
    というか猫に嫉妬ですか?

    やめてください………


    「あれは!
    私、陛下に膝枕しないって、
    言ってないですよ、ね?」

    むくれる陛下を宥めつつ、私は陛下に一歩近づいた。
    ご機嫌が治らない…………って。
    もう、どうして!

    「もお、やだ!
    猫にまで嫉妬しないでくださいっ!」

    ご機嫌を急降下させて、
    半ば脅してくる陛下に本気で呆れながら
    指定された長椅子に私はヤケ気味にポスンと座った。

    ……ああ。
    結局、陛下のお願いは断れないのね。

    首尾よく私の膝を独占することができた陛下は、ごきげん麗しく

    「猫になりたいな。
    猫になったら、
    日がな1日、夕鈴の膝を独占できるのに……」
    などと、まだ寝言を呟いている。

    多少、戸惑ったが、いつもと変わらない午後の昼下がり。
    陛下も、ご機嫌だし。
    これなら午後の政務にも、支障なさそうね。

    私は少しほっとして
    陛下に油断をしてしまった。



    「……夕鈴」

    少し艶を含んだ声で、陛下が私を呼ぶ。

    「はい。
    なんでしょうか?」

    突然、呼ばれたことを無邪気に問う私に
    陛下が、それはそれは艶っぽい微笑みで私を魅了した。

    垂れ下がる私の髪を、くるくると指に巻き
    器用に遊び始めた。

    「私も君に猫の挨拶がしたい。
    鼻と鼻とをあわせるのだったか?」

    次の瞬間……

    そう言うと素早く起き上がって、私の鼻先に陛下の鼻先が触れた。
    それだけでなくペロリと鼻先まで舐められた!

    「……ふぎゃ!」

    盛大に驚いた私は、間抜けな大声を出した。
    そのまま涙目で真っ赤な顔のまま、舐められた鼻を両手で押さえる。

    「昨日、仔猫に鼻を舐められたらしいな。
    今後、猫と言えども私以外が触れることは許さない!」

    ……だ、だからなんで、
    そんな事を陛下が知ってるのよ~~~~!

    誰?
    こんなことを陛下の耳に入れたのは!

    「毎日、君の膝を独占できるなら猫の身分もいいな。
    今後、私は君の猫になろうか!」

    「なりません!
    いい加減、お仕事してくださーいっ!!」

    白陽国の王宮は、
    仲睦まじい国王陛下夫婦のおかげで大変賑やかで
    今日も平和なのです。




    おしまい(笑)


    2017.02.22.初稿 本日、猫の日



    まいど馬鹿馬鹿しいお話ですね。
    すみません。
    お付き合い頂きまして、ありがとうございました。

    さくらぱん
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