花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    本誌設定【長編】 緑風―至福の刻・後編― 

    緑風






    新緑の優しい風が吹き渡る

    「陛下。
    もう、そろそろ……
    私をここへ呼び出した理由を教えてください」

    腕の中の夕鈴が居心地悪そうに…
    真っ赤になりながら、モジモジ……と呟く

    恥ずかしがり屋の君は、
    甘い僕との触れ合いに、未だ慣れない……

    また、それが初々しい花嫁らしくて
    周囲の者も、まさか君が雇われた“臨時花嫁”とは気がつかない。

    君のぎこちなさも、極端に恥ずかしがり屋の性格ゆえのことなのだろうと
    思われているのだろう。

    抱き心地の良い君を
    僕は、いつまでも抱き締めていたいけど……
    これ以上、君が困るのを諦めた。

    だって、この先に甘く触れ合うチャンスがあっても、
    僕に警戒して逃げそうだったから……

    君が僕を避けて逃げるなんてことは困る。
    すっっごく困る。

    「実家に帰らせてください!」

    ……なんて君に言われたら……
    考えることも嫌だけど、きっと僕は仕事が手につかない……
    君を下町まで追いかけてしまうよ。

    「大袈裟です!」
    と君は一刀両断にバッサリと、つれないことを言うけど、
    僕の不安は増す一方だから仕方がない。

    君の一挙手一投足が、僕を突き動かす。
    君の笑顔が僕を勇気付ける。

    “君なしでは居られない”……だなんて
    どこかの恋物語のようだけど
    君と出会うまで、ホントのことだとは思いもしなかった。

    至近距離でありながら、君の問いに答えない無反応な僕に
    心底困った顔をする夕鈴。






    分かった!
    お手上げだよ!

    君に意地悪しているつもりは無いんだ
    僕は近くの侍女に頼み、卓に置いた小さな包みを持って来させた。

    「夕鈴、君の待ち望んでいた品だ!」

    小さな四角い包みを、夕鈴の小さな掌に乗せた。

    肌触りの良い包みは、良質の絹。
    しっとり重い小さな包みに、夕鈴の顔はぱぁぁぁ……と輝いた!

    「陛下、
    お茶ですね!」

    「そうだよ!
    君と一緒に飲もうと思って、老師に頼んでおいたんだ」

    「荷が届いたら、
    一番良い茶葉を、すぐに持ってくるようにね!」

    「陛下!
    ありがとうございます♪」

    夕鈴の本当に嬉しそうな輝く笑顔に、僕も釣られて笑う。

    先触れの使者に伝えた君の
    この輝くような笑顔が見たかったんだ!

    「では早速!
    陛下の為に、お茶をお淹れ致しますねっ!」

    夕鈴は嬉しそうに、ピョンと僕の膝から降りると、
    すぐに、僕の目の前でお茶を淹れはじめた。

    輝く季節に、緩やかな時が過ぎ行く……
    僕は君と過ごす、こんな時間が、大好きだ。

    二人で居ることの幸せの意味を知る。
    心がなんだか温かくて君と過ごすだけで癒される。


    いつか君が本物の花嫁になっても、
    変わらぬ時が過ごせたらいいな。

    そんなことを僕は願わずには居られない。

    お茶を淹れてくれる僕の大好きなお嫁さんの姿を見守りながら、
    穏やかで平和な時間に包まれている僕は、世界一幸せ者だと感じていた。


    ……続く

    あれれ?
    終らなかった。
    おかしいな…
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    2014:

    あっ、あっ続き!
    楼蘭も沢山アップされていたのにまた懲りずにページにお邪魔したら緑風も!
    嬉しいのに、はぁぁぁぁ。今日終わっちゃうのね‥と
    読み進め‥て。
    陛下の幸せ噛み締めが凄く良い〜!
    そうそう。一緒の時間を持てるって貴重で素敵な事で。
    受け取った夕鈴の笑顔を私も盗み見たいですよー!

    そして末尾。やったね!続くの文字←いただきました(#^.^#)

    2016.03.08 20:34 タイフーンです(≧∇≦) #- URL[EDIT] 返信
    2015:

    私も楼蘭が続けてupされたと思ったら緑風もだったので嬉しかったです(^^)
    臨時花嫁時代のジレジレと2人の隠した気持ちの揺れ動きが好きです♪
    続くとのこと、とっても楽しみに待ってます*\(^o^)/*

    2016.03.09 06:49 まるねこ #- URL[EDIT] 返信

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