花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    本誌設定【長編】 緑風―至福の刻・前編― 

    緑風







    輝き煌く新緑の世界
    池越しに見る翡翠宮からの眺めは、穏やかで心和む。

    黎翔は、四阿の長椅子に座り景色を眺めながら……
    最愛の妃を待ちわびていた。

    ――そこへ、夕鈴の訪れを知らせる先触れの声。
    黎翔は、ワクワクしながら、その双眸を閉じた。

    聞こえてくるのは、池渡る爽やかな風の音。
    少しずつ近付く、彼女の柔らかな絹擦れる音。
    涼やかな装飾品が奏でる音。

    薫るは、風渡る陽だまりの匂いと若葉の香り。
    瑞々しい花ような彼女の香り。

    「陛下。
    お待たせ致しました。」

    ―――ー知るは

    背後から、そっと黎翔の目元を覆い隠した
    彼女の小さくて柔らかな掌。
    うなじに、かかる熱い吐息。

    「夕鈴。
    どうして目隠しするの?」

    「だって
    ……恥ずかしいんです。

    侍女の皆さん、これでもかって、いうくらい飾り立てるのですもの。
    宴でも無いのに……このようなこと」

    少し疲れたように可愛らしい小言を言う夕鈴。

    「目隠しなんてされたら、
    せっかく美しく装った君が見れない……
    あきらめて僕に見せて!」
    僕は、クスクス……と笑いながら、彼女の両手を掴んで、
    目隠しをそっと外した。

    「ねぇ……夕鈴。
    お願いだから、
    僕の正面に回りこんでくれる?

    それまで目を瞑っているから……」

    「陛下?
    ……???
    いいですよ」

    彼女が移動する音がする。
    日当たりの良い僕の正面が陰り、花の香りがぐっと近付いた。
    僕の緊張感と期待が、嫌が応にも高まる。

    「陛下。
    もう目を開けてもいいですよ!?」
    クスクス……と、今度は彼女が楽しそうに笑った。

    僕は、ゆっくりと目を開けた。
    期待で、ドキドキ……と胸の動悸が高鳴る。

    僕の目の前には、輝く太陽を背に受けて
    僕の女神が眩しく微笑んでいた。

    金茶の髪が陽に透けて、ときめくほどに輝く。
    半分結い上げた髪から覗く、華奢な白い首筋。

    恥ずかしそうに潤んだ
    大きなハシバミ色の瞳が、僕を見つめ
    上気した顔は、頬だけではなく……耳朶や首筋までもを薄紅色に染めていた。

    ツンと上向く唇は、ぷるんと柔らかそうで……
    甘酸っぱい杏色に輝く口元に、僕は口付けて齧りたくなった。

    そよ風を孕み、なびく若葉の薄衣が、僕を誘う。



    あっ!

    僕は、夕鈴の細い腕を引き寄せ……僕の膝に乗せた。

    「素敵だよ。
    僕の可愛い奥さん」

    「…ぁりがとぅございます」

    パッ…と散った彼女の朱に染まる顔を、僕は見逃さなかった。
    僕にしか見せない可愛い顔。

    ……っ!

    ン。

    僕は、すばやく君の唇を奪うと満足して、君をギュッと抱き締めた。

    「…………////っ!
    へいかっ!」

    「ゆーりん、真っ赤だ。
    かわいいな……」

    侍女が見守る中、僕に抵抗できない君を、更に引き寄せ抱き締める。
    とまどう君のささやかな抵抗など、気にならなかった。

    君の抵抗など……僕には甘い誘惑にしかならない。
    無自覚で無意識な僕の花嫁

    僕を酔わせ夢中にしてゆく
    無邪気で無垢な君の生き生きとした美しい魅力

    「へーか……」
    抵抗をやめた夕鈴が、微熱めいた瞳で僕を呼ぶ。

    「ゆーりん……」

    今度は彼女に、性急すぎない確かめるような口付けを贈ると
    夕鈴は小さな甘い吐息を零した。


    時が止まればいいのに……と思うほどの甘やかな刻が、二人に過ぎていく
    どちらともなく離れた唇に、心寂しく思うぐらい……僕は幸せだった。

    僕は、胸いっぱいに君の香りを確かめた。
    腕の中の君は、陽だまりの太陽の香りと芳しい花の香りがした。



    ……至福の刻・後編へ続く



    2016.03.05..初稿
    今回も、陛下の幸せMAXですね。
    長くなりそうなので、区切りました。
    たくさん怒涛のコメント&メッセくれたお茶好き某ゲスト様に「緑風」捧げますーーー♪

    そしてコメント返信お待ちのゲスト様へ

    来週ピークなので、再来週にはコメント返信できるかと思います。
    作品で応えるしかない…と思っていますが

    来週は、超ハードスケジュール
    一泊出張&大学合格発表&高校入試&大学後期入試(他県前日入り)&子供会の歓送迎会幹事
    を一週間でこなします。
    たぶん精神的にも、瀕死の模様。

    今日・明日更新できれば御の字です。

    楼蘭・緑風・アリス・月晶・・・更新、しばらくお待ちくださいね。

    2016.03.05.

    さくらぱん
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    2013:

    どうしましょう(#^.^#)嬉しい!
    陛下幸せそう! たまらない! 外の晴れ間の様に気持ちが昂りますね〜(*^^*)
    夕鈴の可愛らしさが画面を通り越して脳内へと浸透してきます。

    あーん。
    忙しいさくらぱんさん。
    落ち着かれたらまた更新してね〜!
    ねだりメッセ送りますからぁ!

    2016.03.05 09:05 タイフーンです(≧∇≦) #- URL[EDIT] 返信

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