花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    現パラ【長編】 誰も予想もつかない失態  4

    “バンッッッッ!”

    ゲストルームのドアを蹴飛ばされ、私は一瞬ひるんだが、
    フロアライトを大きく振りかぶって入ってきた人物に襲い掛かった。

    ヤァ! ァァァァーー・・・「探したよ、ゆーりん」」

    振り下ろしたフロアライトを掴み、軽々と手で制してきた不法侵入者。

    その意外な人物に驚いた。
    家に残してきたはずの人。
    私は、ここにいるはずのない人物をマジマジと凝視した。

    それは、紛れも無く日中逃げてきたばかりの夫の姿だった。

    「なぜ、ココに居るの……」

    「そのセリフ、私が言いたい。
    何故、君がココに居るんだ!?」

    「マスコミが嗅ぎつけている。
    家に帰るぞ!
    ゆーりん」

    きゃあ☆

    攫うように黎翔さんに抱きかかえられて、
    紅珠の家から私は連れ去られた。

    黎翔さんの部下たちかしら?
    人に阻まれて、泣きじゃくる紅珠の顔が見えた。

    「やめてっっ!
    お姉さまを、連れて行かないでっっっっ!」

    悲痛な叫びがフロアに響いた。

    「お願いっ
    黎翔さん、キチンとさよならの挨拶をさせて!」

    「ダメだ。
    はやくココを離れないと……

    文句なら家で聞こう」

    聞く耳持たない黎翔さんは、紅珠にお別れの挨拶もさせてくれない。

    仕方なく黎翔さんの背中越しに、紅珠に謝罪とお礼とお別れを言った。

    私の気持ち
    紅珠に届いていると良いのだけれど……




    騒ぎを聞きつけて、他のフロアからの住人が
    マンションのエントランス。
    エレベーターホールに集まってきていた。

    黎翔さんは、すぐさま着いたばかりのエレベーターの扉を閉めて
    地下駐車場のフロアを押した。

    そのまま……車に乗り
    私たちは、ひと言も喋らず
    あっという間に夜の街を走り、珀家に着いた。

    私の家出では、一日も経たずに幕を閉じたのだった。


    ……続く
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