花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    現パラ【長編】 誰も予想もつかない失態  3

    「お姉さま…ご用意した部屋着がぴったりですわね。
    良くお似合いですわ」

    ふわふわの白のワンピース
    柔らかな肌触りの良い生地が心地良い。

    少し長めのAラインのスカート丈は、サイズの合わない大きな下着でも
    人前でも恥ずかしさが薄れた。

    バスルームから出てきた私に、紅珠は温かな飲み物を勧めてくれたが、
    今日はいろいろなことがありすぎて、すごく眠かった。
    早くベッドで休みたい。

    私が疲れているのを察した紅珠は、嫌な顔一つせず……
    珀家を家出してきた理由をも、なに一つ聞かずに……
    夜景が綺麗に見える素敵なゲストルームに案内してくれた。

    自分が珀家で寝ているベッドより、大きいゲストベッドに入り込むなり
    私は日中の疲れがどっと出たのか、泥のように眠りに落ちていった。












    ……
    …………
    ……………………

    ところが、その真夜中。
    私は紅珠の声で、目が覚めた。







    「もう何時だとお思いですか?
    非常識にも、程があります!

    今日は、お引取りください。
    明日出直すなりしてくださいませ」

    「……
    …………」

    「もう、ぐっすりとお休みです。
    不法侵入で、警察に通報いたしますわよ。

    確かに、わたくしは他人で何ひとつ聞いてません。
    でも、あの方はわたくしを頼られたのです。
    お引取りを!」






    「…………」

    「いったいどなたが悪いかは明白ですわ。
    傷心のあの方をお慰めしたいだけですの.
    うちでしばらくお預かりしますわ」


    「…………」



    なにやら紅珠は、誰かと揉めているらしい。

    普段お淑やかな紅珠からは想像もつかない、
    切羽詰まった他人を非難する大きな声。
    だんだんと、揉める声はこちらのゲストルームへと近付いて来る。

    なにやら非常事態!?

    私は、眠気も吹き飛び、
    ベッドから飛び出して手近な武器を探した。

    枕?
    柔らかすぎる……武器にならない

    椅子?
    重すぎる……振り回せない

    棒状のフロア・ライト
    これなら!

    私は、身の危険を察して、部屋のドアに警戒するように
    フロアスタンドを構えた。

    ホントウ。
    今日は散々な一日だわ。

    そんな本音を言葉に漏らして。

    ……続く。


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