花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【Yコラボ】アリスの口付け 19  イタズラな花火

    身も心も、ふわふわだった。
    彼の腕の中は、すごく気持ちいい。

    緊張しつつも夢見心地な私は、
    黎翔さんの言葉を素直に待ち耳を傾けるのだった。

    黎翔さんが、息を呑む気配。
    ようやく決心がついたみたい。

    「ゆーりん。
    僕は、君“ひゅるるるる~~”
    “ドドーーーンッッ!”」
    「きゃあ!」


    突然の私たちの乗った観覧車の近くで、眩い閃光。
    雷よりも大きな轟音で鼓膜が破れそうになる。
    空気が震える。
    鳴り響く爆発音と苛烈な閃光に驚いた私は、両目を瞑り両耳を両手で塞いで、黎翔さんの胸に顔を埋めた……

    その間も、黎翔さんは、何かを私に囁いていたが……
    音に掻き消されて何を話していたのかまったく聞こえなかった。

    「……今の何?」

    また静かになった観覧車に、再び静寂が訪れたが……
    私の肩を抱いたまま……私の肩に顔を埋めて
    彼は固まってしまった。

    そういえば、さっき言ってくれた話は、何だったのかしら?
    まったく聞こえなかった。

    「……李順め。
    まったくタイミングが悪い……」

    舌打ち気味に小さく呟く黎翔さん。
    どうしてここに、秘書の李順さんが出てくるの?
    何が、タイミングが悪いの?

    「……何の話ですか?
    黎翔さん……」

    「……なんでも無いよ。
    それより僕の声、聞こえた?」

    「ごめんなさい……
    大きな音に驚いて、聞こえませんでした」

    「……やっぱり。
    失敗か」

    がっくりと肩を落とした黎翔さん。
    何がなんだか分らないけれど……
    彼のうなだれて落ち込んだ様子に
    私は悪いことをしてしまった気分だった。

    なんと言葉をかけてよいか分らず……
    私は、黎翔さんの頭をそっと抱きしめるのだった。

    ……続く
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