花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    完【長編】君を守れなかった僕の自罪 5


    ……か


    ……
    …………

    へーか
    ………………

    「陛下っ!
    黎翔さま!
    大丈夫ですか!?」

    優しく揺り起こす愛しい人の声に、
    僕は、ゆるゆると目を開けた。

    そこには僕の顔を覗きこむ
    愛しい妻の瞳。

    心配そうなハシバミ色の瞳が、
    不安で揺れていた。

    「……夕鈴!
    生きていたか?
    傷は?」

    失ったはずの光が
    失っていなかったことに安堵しつつ……
    僕は、君に尋ねた。

    「傷?
    傷って、何のことですか!?」

    小首を傾げ、小鳥のように尋ね返す君の言葉に
    僕は違和感を覚える。

    「……冷たい。」

    君の小さな手が、僕の手をとり温めてくれた。

    じんわりとあったかい。

    君の温もりが僕を包む。
    僕を温めながら優しく見つめる
    ハシバミ色の瞳が、少し翳った。

    「黎翔さま。
    うなされておりましたが、怖い夢でも見ましたか?」

    優しく微笑む君の笑顔に
    冷たく凍りついた血潮が、再び巡りだす。

    「夢?
    あれが?」

    見渡すと、ここは黎翔の寝所だった。

    部屋の中は、真っ暗で
    朝ではないらしい。

    あの池の四阿ではないし……
    目の前の夕鈴は顔に凄惨な醜い傷などなく、
    黎翔の知る美しく愛らしい妻だった。

    「…ゆうりん。

    ゆうりんっ。

    夕鈴!」

    僕は、目の前の君を掻き抱き、
    何度も何度も名前を呼んだ!

    柔らかく温かな唇に、何度も口付けた。

    「黎翔さま!?
    いったいどうしたの?」

    腕の中の君は驚き
    少し暴れたが
    すぐにただならない僕の様子に、大人しくなった。

    「ゆーりん!
    愛してる……」

    強引な口付けを重ね
    彼女の顔が、羞恥で朱を帯びてきた。

    ああ・・・…この愛らしさ。
    私のゆーりんだ。

    「れいしょうさま?」

    「何でもないよ!
    ゆーりん!
    君は生きてる!」

    「どうしたんです?
    いったい??


    ………。
    変な黎翔さま」

    夕鈴は優しく笑って、
    僕のすべてを受け入れてくれた。

    君の温もりが、僕に教えてくれる。
    君は僕の失えない大事な人。

    夕鈴を抱きながら、
    僕の心は、夢の中の彼女を失った喪失感に満ちていた。
    夢の中に彼女が哀れで悲しくて。
    愛しくて切なくて。


    何度、君に口付けても、哀しみが拭えない。

    あれは、もう一人の君。

    いつか起こりえる未来。

    あってはならない未来。

    もう二度と、君を失いたくない。
    失わせない!

    流れる涙を止められず……
    僕は夕鈴を抱きしめたまま……
    君の温もり・存在感を確かめた。

    「君を守るよ!
    もう二度と失わせない!」

    新たな決意で僕は君を抱きしめたまま
    眠りに落ちた。

    僕の罪で、君をもう失わせない!
    この手で君を守る!

    もう二度と……

    必ず……


    ……君を守れなかった僕の自罪・完 。

    SNS内部・ハロウィンパーティ突発企画


    口裂け子さんとダリ子さんのネタでした!

    終わり方がなんか変。
    こんなに暗くなるとは思わなかった…

    皆様、お目汚し、スミマセンでした。
    .

    関連記事
    スポンサーサイト

    管理者にだけ表示を許可する