花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【Yコラボ】アリスの口付け 11  チェンジ ザ バイト

    それから、数日後。
    秘書課のイケメン眼鏡青年に、私は呼び出されていた。

    私、何か失態でもした?
    イヤ……そんなことはないはず。
     
    フロアのモノを壊したりはしてないし…
    通行する方には十分に気を付けて邪魔にならないようにしていたし。
    思い当たる節なんて何一つ無い!

    「あの……
    お呼びだと聞いてきました」

    「ああ、汀 夕鈴さん、お待ちしてました。
    どうぞそちらへ」

    イケメン眼鏡青年は私をソファーへと誘う。
    私は言われるまま、ソファーに腰かけた。

    「さて、貴女に
    今日は別のバイトをお願いしようと思いまして、お呼びしたんです」

    「別のバイトですか?」

    「はい!それはもう、破格値のバイトですよ」
     
    「破格値?」

    私の頭の中で、お札がちらつく。
    イケナイ!イケナイ!!そんな浅ましいことを考えちゃ…。
    私はすぐさま頭を振って、浅ましい考えを追い払った。

    「それはどんなバイトなんですか?」

    「社長の婚約者に、なってもらいます!!」

    「はい?
    いま何と仰いました?」

    私は、耳を疑った。

    「だから、社長の婚約者です」

    「はぁ??
    無理です!!!そんな事。
    だって、私…
    社長さんのお顔すら存じ上げてないんですよ」

    「えっ?
    おかしいですね……

    社長は、貴女に会ったと言ってましたが…」

    私、社長さんと会ってる?
    何処で?
    やっぱりこのビルの中だ……よね。
    そんな人いたっけ?

    私は必至で記憶の蓋を開けて、まさぐるようにそれらしい人物を探す。

    元々フロア清掃なんて下を向いいるから、
    思い当たる人なんて、そんなにいるわけがない。

    じゃあ、もしかしてあの人?
    先日、フロアで会ったすっごくカッコよかった人。
    でもあの人だとすると、若すぎる。

    う~~ん、やっぱり。
    こんな大きな会社の社長さんなんだから
    そんな若い人なわけないわよね。
     
    でも私を婚約者の身代わりにするんだったら、
    社長さんがおじさんじゃおかしすぎる。
    となると…やっぱりあの人?

    いくら考えても私の中で、納得がいく人物が思い当たらない。
    観念した私は、目の前の眼鏡青年におずおずと訊いてみた。

    「あの……社長さんって、もしかして…お若い方だったりします?」
    「ええ、21歳ですよ」

    あの人だ!この前の……。
    でもあんなカッコいい方だったら、
    私なんかが婚約者のフリなんてしなくてもいいと思うけどなぁ~。

    「私なんかで務まるんでしょうか?」
     
    「さぁ、それは分かりませんが、貴女は一応彼氏もいないということですし…
    何しろ社長が『貴女を!』と希望しているので…」

    その言葉に、私は驚いた。
    目の前のイケメン眼鏡青年は、ため息を吐き出す。

    「私を指名しているんですか?」

    「はい……
    こんなどこにでもいるような高校生を
    偽婚約者にしなくてもいいと思うんですけどね」

    まったく納得がいかない渋い表情を浮かべる眼鏡の青年。
    私は何と答えていいかわからず、曖昧な笑みを浮かべた。


    そうして気がつけば、清掃バイトから偽婚約者バイトに
    ガラリとバイト内容が変わっていた。




    ……続く
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