花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【Yコラボ】アリスの口付け 6  光りの中のメリーゴーランド

    「ねぇ!?
    アレに乗ろうか?」

    まだ息が整わない私に、黎翔さんが指差すアトラクションはメリーゴーランド。

    「えっ!?
    アレですか?」

    メリーゴーランドなんて、
    小さな子供のとき以来、乗ったこと無い。

    「うん♪
    僕、ゆーりんと一緒に乗りたいな!」

    手を握られたまま黎翔に連れられて、メリーゴーランドの前にやって来た。

    そこには煌びやかな鞍を付けた白馬に、勇猛な黒馬。
    花があしらわれた馬車に、キラキラ光る七色ガラスで彩られた馬車。

    まるでお伽話から抜け出たように美しい色彩に溢れたメリーゴーランド。
    煌びやかな電飾に彩られた、メルヘンな世界が目の前にひろがる。

    「メリーゴーランド
    綺麗ですね。」

    「そう??」

    自分がデザインさせたメリーゴーランドを
    恋人に褒められて、黎翔は少し嬉しくなった。

    「では、アリス 。
    メリーゴーランドへ、ご案内致しましょう!」

    ニッコリ微笑んで黎翔さんは、私をさっと抱き上げた。
    水色のスカートがフワリと揺れ、私の身体が宙に浮く。
    そのまま黎翔さんの腕の中に納められた。

    「キャッ。」

    急な恋人の行動に、私は小さな悲鳴を上げる。
    でも悲鳴くらいで、黎翔さんは私を降ろしてはくれない。
    落ちそうになった不安定な身体を、私は黎翔さんの首に腕をまわして支えた。

    黎翔さんに抱きかかえられたまま……ゲートをくぐり、
    スタッと、一番豪奢な白馬の上に、チョコンと降ろされた。

    すかさず黎翔さんは、
    私の後ろに跨がると、二人乗りで白馬に乗った。

    「なんで?
    黎翔さん、白馬は他にもありますよ!」

    「なんで…って。
    僕は、君と乗りたいんだ!
    ……夕鈴は嫌なの?」

    「だって……貸切なのに。
    なにも、二人乗りしなくたって……」

    「ゆーりん。
    こういうのは恋人と二人乗りだから、楽しいんだよ!」


    うわっ!
    ち…近いっ!
    ///////恥ずかしい~~

    夕鈴は、恥ずかしげに身を捩らせて、
    涙目で訴えている……その仕草が可愛い。

    困ったな。
    ますます困らせたくなる……
    僕は、彼女を困らたい気持ちを心の中でたしなめた。


    ジリリリ……
    発車のベルが鳴った。
    始まりの合図と共に、メリーゴーランドが、ゆっくりと廻りだす。

    白馬から降りようとしていた私を

    「……危ないよ」

    と、黎翔さんは抱え直してくれた。
    だけど、どさくさ紛れに私の額にkissをしてくる。

    僕は、Kissしたとたん真っ赤になった可愛い恋人を抱えて、くるくると廻るメリーゴーランドを楽しんだ。
    何度君を困らせても、このイタズラだけは楽しい。

    僕にとっても、いつ以来のメリーゴーランドだろうか?
    久しぶりに乗るメリーゴーランドは、子供の頃とは違う楽しさに溢れていた。

    温かくて……

    くすぐったいほど、嬉しくて……

    すごく楽しい。

    きっとそれは、ゆーりん。
    君が僕にくれた贈り物。

    僕たちは、煌びやかに輝く光の渦に飲み込まれ
    つかの間の光のメリーゴーランドの時を共に過ごす。
    ささやかな楽しみと共に……

    私の頬を啄む黎翔さんを、誰も止める者も咎める者も居なかった。

    メリーゴーランドが止まる頃。
    私は、すっかり茹で上がってしまっいた。
    腰砕けた私を抱えて、黎翔さんはご機嫌で耳元で囁いた。

    「もう一回乗ろうか?」

    冗談じゃない!
    メリーゴーランドの動く間中、顔にkissの雨なんて……

    こんな恥ずかしいこと、二回も乗れないっ。
    パクパクと恥ずかしさで声が裏返った。

    いいえ。
    もう、結構です!」

    慌てて真っ赤な顔で、ピシャリと断った。
    黎翔さんは残念そうに、じっと私を見つめて

    「……ダメ!?」

    「もう、無理です。
    黎翔さんだけで、乗ってきてください。
    私は、ベンチで休んで待っていますからっ!」

    「ゆーりん、それじゃ乗る意味が無い。
    君と乗るから楽しいのに……」

    黎翔さんは、まだ何か言いたげだったが
    今度は、すぐに諦めてくれた。


    ……続く
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