花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】 君を守れなかった僕の自罪 2

    そんな襲撃事件が数日前に起こり、
    僕は、夕鈴になかなか会えない日々が続いた。

    後宮の夕鈴の自室へ、連日見舞いに訪れると、
    “今、陛下には会いたくない” との、つれない返事で帰されるばかり……

    ようやく夕鈴の傷が癒えたとの侍医の知らせに僕は喜んだ。
    それでも君は、同じ返事で僕をつれなく追い返す。

    もう何日、君の顔を見ていないのだろう……

    僕は、君に嫌われてしまったのだろうか?

    そんなにも、君の心に傷を負わせてしまったのだろうか?

    夕鈴に帰される度に、僕はそんな自問自答を繰り返した。







    眩しい朝日が爽やかな朝。
    僕は、庭先の朝露のついた花を片手に、いつもどおり夕鈴の見舞いに行った。

    夕べ、決心したんだ。
    今日こそは、夕鈴の無事な顔を見ないで、自室に戻るわけにはいかない。

    ……僕は、これだけ待ったんだ。
    嗚呼……早く君の顔が見たいっ!


    庭続きの部屋、廊下を通らず……
    誰にも会わずに、夕鈴の部屋の前に来れた。

    寝所に続く扉が少し開いていた。

    「ゆーりん、入るよ」
    僕は、彼女の部屋に滑り込むように入った。

    明けはじめたとはいえ、室内は鎧窓が閉まり、薄暗かった。
    寝台で、人の気配がした。

    「え!?
    へーか??
    いったい何処から?」

    「庭からだ……
    今日こそは、君に会いたくて……」

    「お引取りください。
    私は、貴方に今会いたくないのです」

    「どうして?
    私に、会いたくないのだ……
    聞けば、傷は癒えたというではないか?」

    寝台の上、白い敷布を目深に被った夕鈴は、大きく身を震わせた。

    「申し訳ございません。
    ですが、私は今、陛下に会いたくないのです。」

    「どうか、このまま捨て置き、私を忘れてください。
    できれば、私を下町に帰してください。」

    「どうして……?」

    「私は、陛下の花嫁に相応しくありません。
    傷を負って、こんなに醜くなってしまいました」

    「ゆーりん、君は僕の愛する唯一無二だ。
    傷を負っても、君は可愛い僕の花嫁だ。
    ……好きだよ!」

    「それとも、ゆーりんは僕を嫌いになった?」

    「……いいえ。
    好きです」

    「だったら……」

    「陛下。
    ……ごめんなさい」

    「ゆーりん……」

    ……続く

    SNS内部・ハロウィンパーティ突発企画
    口裂け子さんと絵師Dさんのネタをお借りしています。
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