花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【Yコラボ】アリスの口付け 3

    私が不思議そうにしていると、それに気付いた黎翔さんが説明してくれた。

    「あれぇ!?
    伝えてなかったっけ?
    ここは僕が所有する遊園地だよ。」

    「今夜は、ゆーりんと僕の貸切にしたんだ」

    「いつも会えなくて寂しい思いをさせてごめんね。
    デートも満足にできないし……」

    「……別に寂しいなんて
    私、ひと言も「Σ痛っ!」」

    抱き締める力が、一瞬強くなり……
    私は、痛さで悲鳴をあげた。

    「夕鈴、強がらなくていい…… 僕は知ってる。

    優しい君が、いつも寂しい思いを
    我慢していることを……」

    「僕も、君に会えなくて寂しかったんだ。
    恋人なのにね……ごめん」

    ポツリと言った黎翔さんの寂しそうな声に
    肩越しで振り向いた私は、
    傷ついたような瞳と視線が、かちあった。

    その瞳はすぐに消え去り…小犬のような明るい瞳が変わりに輝いた。

    「 僕、久しぶりのデートだから、
    今夜を、ずっと楽しみにしてたんだ!
    今夜は、いっぱい遊ぼうね、ゆーりん!」

    私より年上で世界中を飛び回り、その辣腕ぶりで
    「狼陛下」と呼ばれている黎翔さん。

    いつも忙しくて、時間の取れない彼が、
    わざわざ私とのデートの時間を作ってくれたのだと思うと
    それだけで、とても嬉しくなる。

    「ありがとう、黎翔さん」

    微笑んだ私に、黎翔さんが無邪気な小犬のような笑顔を返してくれた。

    いつもは大人びた彼なのに、今日はホントに子供みたい。

    ……なんだか今日の黎翔さん、可愛い。

    黎翔さんの嬉しそうな様子に、私もつられて嬉しくなる。
    ドキドキ……と、心臓が踊りだす。
    ハミングと、スキップを同時にしたい気分。

    今から始まる遊園地デートに、いやでも期待が高まった。

    「さあ、遊ぼう、ゆーりんっ!
    時間が勿体ないよ!」

    私の手を引きながら、テーマパークのゲートを二人でくぐって中へと入った。

    ……ホントに子供みたいだわ。

    待ちきれないといった雰囲気で、
    今にも遊園地を、駆け出しそうな彼の様子に、私はクスリと小さく笑った。


    ……続く
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