花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【Yコラボ】アリスの口付け 2

    嘘でしょ?! 嘘でしょ?! 嘘でしょ?!

    ぎゃああああぁぁ~~~~

    なんで?
    なんで? ……後ろから?

    「黎翔さんっ!
    もう驚かさないでください!」


    予想もつかない方向からの
    突然の恋人の出現に
    私の心臓の動悸が治まらない。

    まだバクバクという心臓は、耳の奥で耳障りな音をたてていた。
    私は瞳に大粒の涙を浮かべて、彼に抗議した。

    「心臓が止まるのかと思いました!
    普通に来てくださいっ!
    普通にぃぃぃ~~!」

    「いつ?
    いつ、来たんですか?」

    「私、左右の道を見てましたけど、
    車も人も、何一つ通りませんでしたよ?」

    「なんで遊園地の中から来るんですか?
    他に入り口なんて、ありましたっけ?
    私、 待ち合わせの場所を間違えました?」

    矢継ぎ早に、黎翔さんに質問をしてしまうのは
    この恥ずかしい状況を一刻も早く改善して欲しいから。

    私は、黎翔さんの腕の中から逃れようと
    身をよじって離れようと、努力してはみたものの……無駄だった。

    私を強く抱き締めて、離してくれない恋人は、
    実に楽しそうに、クスクスと笑いながら、私の耳元で囁いた。

    「間違えてないよ。
    時間に遅れたのは悪かった……
    ゆーりん、しばらく会えなかったけど……
    元気だった?」

    ひゃあぁぁぁぁぁぁぁ~~~~

    声無き悲鳴。

    久しぶりに会う恋人の生の囁き。
    腰砕けそうになる色気ある魅力的な声が、吐息混じりに私の耳朶を嬲る。

    (ひゃあ!
    ここは、遊園地の入り口ですよっ!
    他人の目もあるし、はやく早く私を開放してくださいぃぃぃぃぃ~~)

    そんな恥ずかしい状況。
    なのに久しぶりに出会えた嬉しさで、私は林檎のように真っ赤に顔が染まるのだった。

    ふと見渡すと、なぜか私と彼の二人しかここには居ない。
    平日の夕方とはいえ、いま話題の遊園地。
    なぜか帰るお客さんが一人も居ないことが、とても不思議だった。


    ……続く
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