花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

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    【短編】春風に揺れる花のように……

    コミックス未収録、本誌ネタバレ含みます・・・なのかな。
    それでもよければ、どぞ。





    .
    物心つかない幼い頃、無垢な瞳に映る世界は
    とても美しく見えたけれど……

    大人になるにつれて疑うことを覚え
    人は臆病になっていくのだろうか?







    「似たもの同士」と友と笑いあったあの頃
    すぐに刃を向けられ、誰が味方で何が本当なのかが分からなくなった。

    些細な嘘さえも見抜いてしまう自分が恨めしいよ。
    兄王が亡くなり、僕が玉座に着いた。

    国を守るのは、自分。
    国を害するものは、優しく見逃すことなんて出来なかった。

    借り物の王の玉座。
    この玉座は、血筋正しい正統な王が引き継ぐべき椅子。
    もしも、僕に帰る場所がなくても、国を守るためなら、それで構わないと思った。

    だけど、君に出会ってしまった。
    君の傍に居たいと思ってしまった。

    君が、偽りだった僕の仮面を外してゆく
    この胸に広がる甘酸っぱくて、温かな気持ちはなんだろう。

    ……手離せなくなる前に君を手放すから
    君を傷つけさせないために
    僕がその笑顔を守るから……

    だけど君の笑顔が見れないことが……
    こんなにも辛い

    「後宮の花は、枯れてしまった」

    王宮に、冬の嵐。
    恐れていた何かが蠢く。

    君が居なくて良かった。
    君が居なくて寂しいよ。
    僕の傍に居て欲しい…だけど
    かりそめの王の傍で、君は幸せになどなれやしないから。

    心を閉ざす…
    瞳を閉じる……

    君が恋しい。
    声が聞きたい。

    ーーーーー冬が来る。





    灰色になった僕の世界に
    また君が現れた。

    いつも突拍子もなくて予想が付かない夕鈴。

    …君は。
    ……君は。
    いつも僕の予想の遥か上を飛び越えてゆくんだ。

    僕は、君に驚かされているばかり……
    せっかく逃がした小鳥は、再び僕の手の中へ。

    離れていて気付いてしまった。
    失いたくないものなんて君以外ないよ

    ただ……君のそばで見つめていたい。

    喜びも悲しみも何もかも
    夕鈴、君の感じるものすべてを、等しく感じていたいんだ。

    大人になる度、少しずつ…忘れてしまった僕の素顔
    自分の心に 素直でいること
    虚勢の仮面を被り、薄っぺらな王の仮面は、いつの間にか私のもうひとつの顔になった。

    「冷酷非情な狼陛下」

    君だけが孤独の僕に微笑むから
    君だけが、偽りの無いぬくもりをくれるから……

    僕は君を好きになる。
    この想いを秘めておくことは、もう出来ない。

    君からもらった勇気のカケラ
    君だけにあげる 私の真実を……

    僕の気持ちをどうしたら君に素直に伝えられるだろうか?

    跳ね上がる鼓動と焦燥、溢れだす想いが教えてくれた。
    諦めたハズの君への気持ち。
    君にあったことで、燃え上がる諦めきれない想い

    ――――君が好きすぎて、どうしようもない。

    「夕鈴、君が好きだ!」

    太陽のように輝く君の笑顔。
    君の傍に居るだけで、こんなにも僕の心が強くなる

    失いたくないもの
    その中でたった一つ。
    君以外、なんにもいらないと思えるんだよ

    ただ君のそばで見つめてたい
    君の喜びも悲しみも すべて

    泣きじゃくる君を抱きしめて
    想いを交わした。

    お互いに相愛だったなんて……
    僕たちは、なんて長い回り道をしてきたんだろう。

    君に対しては、疑うことを知らず…
    無垢だった子供の頃のように、世界は美しく見える。

    輝く緑
    芳しい風
    優しく微笑む花々
    澄んだ青空さえも……

    君が居なければ、知らなかった。
    こんなにも、世界が美しいだなんて……

    ここから始めよう
    二人の明日を始めよう
    素直な気持ちのままでいようよ

    燦々と輝く太陽の下
    春風に揺れる花のように
    たおやかに香るあの花のように
    今、この瞬間を咲き誇ろう

    ……もう僕は、二度と君を離さないと誓ったんだ。
    たとえこの先、どんな困難が待ち受けていようとも。
    僕は君を守ると決めたんだ。
    口付けで誓うよ。

    ――君が好きだよ――




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