花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    現パラ【短編】聖なる夜に……

    前作
    現パラ【短編】決戦はChristmas eve
    続きは……との、白友さんのリクエストに応えて。(……るのか、不明)


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    差し出さた深紅の大輪の薔薇の大きな花束。
    夕鈴は、その豪華な花束を受け取るべきか躊躇していた。

    「夕鈴、
    merry Christmas!
    僕の愛を、受け取って!」

    どう見ても二週間分の食費は、ありそうな高価な花束。

    ……ああ、それだけあったら……

    ついつい育ち盛りの弟にお腹いっぱい食べさせてあげられると思うのは、母親代わりの主婦歴が長いからだろう。

    そんな計算だけは、手早く出来てしまう
    一般庶民の自分の身が、哀しい。
    その豪華な花束を差し出されたのは、自分だというのに……


    「夕鈴、
    君の為に選んだんだ!」

    先ほどから、受け取ってくれることを疑いもしない純粋さで、
    愛を囁くのは、紛れもなく私の恋人。

    私より美人で、社会的にも地位のある人……

    私より、この薔薇が似合うのは彼ではないかしら……
    美しいその顔を見ながら、つまらないことを考えてしまう。

    それにしても……
    クリスマスに、いつもは車でのデートが、今日に限って電車でのデート。

    いつもの彼の気まぐれだと分かっていても、
    突然、視界が真っ赤に染まり、
    その赤が薔薇だと知れば……誰だって驚くわ。

    まさか、こんな計画をたてていただなんて。

    膝まづかれて、
    かしづかれたことなんて無い。


    それに……
    ここ、駅の構内なんだけど……

    人の往来が激しく
    先ほどから、注目を浴びまくっていた。
    恥ずかしくって、居心地が悪いったらありゃしない。

    顔から、火が出そうな勢いで
    顔を真っ赤にして耐えていると……

    奇異と羨望と気の毒そうな人々の視線。
    夕鈴は、そんな視線を一身に浴びている気がした。

    まったく黎翔さんは、ぜんぜん分かってないっっ!!

    恥ずかしさに潤む瞳で、大好きな恋人を見た。
    勘違いした恋人が、にっこり微笑んでくれた。




    あーーー!

    もう、どうしてこうなったの?

    2014.12.26.改定
    2014.12.25.初稿
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