花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】朧ーおぼろー  時代物

    花の四阿 本館3周年!!
    皆様、ありがとうございますーー!!

    花が散る
    季節はずれの桃花の時期に
    白く輝く雪が降る

    ギリギリ……と
    弓弦を引き絞る音
    ヒュン!
    とした風切る羽音。
    夕鈴は、肌を裂くような冷たい雪原の中……
    矢継ぎ早に、弓を番えていた。

    「黎翔さまっ!
    お逃げください。」

    「ここは私が、ひきつけます。」

    「何を言うか!
    そなたを置いてなど、逃げれぬ!」

    「この戦必ず、生きて見せようぞ。
    夕鈴そなたも生き延びるのだ。」

    「しかし…大殿「しかしも、なにも無い。」」

    「私の背中は、任せる!「はい。命に代えましても……」」

    「この戦、生き延びましょう!!」

    「よくぞ言った。
    さすがは、我が見込んだおなご」

    「必ず、生き延びるぞ。」

    淡雪が月を隠す朧月。
    空に千本の矢の雨が降る。

    多勢に無勢。
    哀れ、夕鈴は、凶矢に倒れ付す。

    「……黎翔さま。
    ゴメンナサイ。
    最後まで、守れなくて。」

    「もう良い。
    なにも言うな。
    見ろ。
    敵は、私が殲滅した。
    我らは勝ったのじゃ……」

    「夕鈴、死ぬな。
    私の背を守れるおなごは、そなた一人。
    私を置いていかないでくれ。」

    「……黎翔さま。
    愛しております。
    あなたが、無事でよかった。」

    朧月に照らされた夕鈴の顔は
    雪よりも白く
    胸に咲き滲む赤い花は
    雪原までも染めた。

    弱々しく、さし伸ばされた
    華奢な手を黎翔は、しっかりと強く握り締めた。

    「夕鈴……
    私もだ」

    「そなたが居なくては、
    私に未来は無い。」


    ぽつぽつと、黎翔のやりきれない想いが
    涙となって、夕鈴の頬を濡らす


    「……黎翔さま。
    …………生きて」


    儚げな微笑みを残して、夕鈴はこと切れた。


    「逝くな。
    夕鈴。」

    かき抱く彼女のぬくもりは、次第に冷たくなり、まるで雪を抱き閉めているかのようだった。


    まだぬくもりが僅かに残る
    微笑む彼女の唇に、黎翔は別れの口付けをした。

    「そなたが居なくて私はどう生きればいいのだ。
    それでも、生きろと君が望むのなら…
    生きねばならぬでは無いか。」

    静かに、花が散った。

    愛しい花が。


    「夕鈴。
    来世でも夫婦となろうぞ。」

    雪原にただ一人、黎翔の影が伸びる。

    寂しく辛いその姿を、朧月だけが見ていた。










    スポンサーサイト
    1875:

    3周年、おめでとうございます!!!!

    取りあえず、おめでとうコールのみでスミマセン

    お互いゆっくりといきましょっっ。

    2014.12.23 23:34 よゆまま #- URL[EDIT] 返信
    1876:よゆままさんへ

    見ましたの印v-22

    いらっしゃいませ~♪

    よゆままさん
    ありがとうございます。

    > 取りあえず、おめでとうコールのみでスミマセン
    いえいえ、とっても嬉しいです。

    > お互いゆっくりといきましょっっ。
    了解です。
    取り急ぎ、コラボ一つ終わらせましょう!!!
    ガンバです。

    2014.12.24 20:12 本館 さくらぱん #H6hNXAII URL[EDIT] 返信

    管理者にだけ表示を許可する