花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    とりっく ぉぁ とぅりーと? 10

    「夕鈴。
    今、戻ったぞ。」

    「お帰りなさいませ、陛下。」

    夜になり、政務室から直接
    後宮に来た黎翔は、真っ直ぐ夕鈴の部屋を訪れた。

    すでに、先触れが届いていた夕鈴は、黒いマントを羽織り
    拱手して待っていてくれた。

    常とは、違う衣装。
    何も纏わぬ、すらりとした白く細い腕を交差して、頭を垂れている。

    見え隠れる衣装から、異国のものと知り
    その大胆な衣装に黎翔は、ドキリとした。

    そんな動揺を押さえて、変に意識しないように
    黎翔は、平常心につとめた。

    「久しぶりだな、夕鈴。
    会いたかったぞ。

    元気そうで、何よりだ!
    心配したぞ。」

    「申し訳ありません。
    今日の準備に、手間取りました。」

    陛下の片手が上がり、
    人払いの合図で、さぁぁ……と侍女たちが
    音も無く退出していった。

    そのまま……
    何事もなく、二人の会話は進んでいく。

    「昼は、政務室にお菓子の差し入れをありがとう。
    皆が喜んでいた。」

    「喜んでいただき、嬉しゅうございます。
    「お味は、いかがでしたか?」

    「私は、食べてはいないが、旨かったと聞いたぞ。」

    「君が、私の分を作っていると聞いたから……
    食べるのを楽しみにとっておいたんだよ。」

    「夕鈴
    私のお菓子は?」

    「ちゃんと、ご用意してあります」

    「昼間は、食べ損なったから……
    「早く食べたいな!!」

    小犬のように瞳を輝かせて、
    お菓子の催促をする黎翔に、夕鈴はクスリと笑った。

    「そんなに、言われなくとも。
    すぐに、ご用意いたします。」

    「只今、お茶と共にご用意致しますね!
    少々お待ちくださいませ……」


    2014.11.01.改定
    2014.10.31.初稿
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