花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    とりっく ぉぁ とぅりーと?9

    ……陛下が、政務室でバリバリ働いていたその頃。


    夕鈴は、後宮にある夕鈴専用の厨房で、
    侍女たちと大量のかぼちゃと戦っていた。

    「お妃様、かぼちゃの裏ごしは、
    コレくらいの量でよろしいでしょうか?」

    「そうですね。
    もう少し、お願いいたします。
    政務室の皆さんにもお配りしますから。」

    「分かりました。」

    「お妃様。
    油の温度が上がりました。」

    「では、手分けして作業を分業して
    揚げ進めてください。」

    「あなたは、かぼちゃあんを分ける役」
    「あなたは、かぼちゃあんを丸める役」
    「あなたは、丸めたかぼちゃあんに生地をつける役」
    「あなたは、揚げる役」
    「あなたは、揚げた饅頭に砂糖をまぶす役」

    「政務室の午後の休憩までに、
    必ず間に合わせましょう」

    「私は、陛下のお菓子にとりかかります。
    なにか分からないことがありましたら、聞いてください」

    「「「「はいっ!」」」」

    熱気漂う厨房は、まだ独身の侍女たちが集い、
    大量のお菓子を作っていた。
    午後の政務室への差し入れの為にである。

    普段、出会いのきっかけの少ない、政務室の政務官達と、良家の子女である侍女たち。
    出会いのきっかけになればと……
    夕鈴が、はじめた政務室への差し入れも、
    最初は反対派が多かったが……
    その後の政務官たちの見事な働きぶりで、今では公認となった。

    最近では、良縁に恵まれるとかで、
    政務室付きになりたがる者が出はじめたとか。

    ……
    …………
    ………………

    夕鈴は、陛下のお菓子を作りながら……
    老師の言葉を思い出していた。

    “よいか、まず陛下を飢えさせるのじゃ……”

    “飢えさせるって?
    どういうことですか?”

    “これから、Halloweenの夜まで、陛下に会うのは禁ずる。
    おぬしの作るお菓子の差し入れもダメじゃ……”

    “でなければ、この計画はなりたたん。”

    “――どうしてですか?”


    “陛下には、おぬしとおぬしの作るお菓子の両方を断ってもらう。
    お妃断ちをして、飢えてもらうのじゃ……”

    “それでだな。
    当日は、陛下におぬしの美味しいお菓子を食べてもらうがよい。”

    “その中に、○▲◇※**を仕掛けるのじゃ”

    “えっっ!?”

    “なんの疑念も持たずに、
    おぬしの差し出すお菓子を口にするはずじゃ”

    “さすれば、この計画はうまくいく。”

    “それとじゃな、当日は侍女の作ったお菓子を政務室に届けるんじゃ
    おぬしが、今陛下のお菓子を作っている最中じゃと、伝えてな。”

    “きっと陛下は、侍女の作った差し入れのお菓子など口にせぬよ。
    おぬしの作ったお菓子を楽しみにしておるからの…・・・”

    “で驚かれたら…・・・
    、雷電姫の呪文を口にするのじゃ”

    “それで、イタズラは完結する
    good luckじゃ……”

    にかっと笑って、妖しい微笑をした老師が最後に浮かんだ。

    「…・・・大丈夫かしら?」
    「大丈夫ですわ」

    無意識に、言葉に出していたらしい。
    夕鈴の不安を近くに居た侍女が聞いいて、
    機転を利かせて返してくれた。

    とにかくねここまできたからには、計画は後戻りは出来ない。
    陛下に会えなくて、寂しかったのは夕鈴も一緒だったから。

    夕鈴は、とりあえず目の前のお菓子作りに
    集中することに決めた。

    陛下の為に、美味しくなれと願いをこめて。




    2014.11.01.改定
    2014.10.31.初稿
    関連記事
    スポンサーサイト

    管理者にだけ表示を許可する