花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    とりっく  ぉぁ  とぅりーと?6

    その次の日から夕鈴は、陛下の後をパタリ…と追わなくなった。
    それどころか、政務室通いも、夜の後宮への陛下の通いも断り
    黎翔は、夕鈴に会えなくなった。

    「本当に、妃は体調が悪いのではないのだな?」

    「はい、 誓って。
    どこも悪くありません。

    ハロウィン当日の夜まで、
    一人にしてほしいとの仰せです。」

    「妃の顔を見て、安心したいのだが……」

    「申し訳ありません、陛下。
    ここをお通しするわけには、まいりません。
    お妃さまから、きつく言い付かっております。」

    「私の妃だぞ、そこをどけ!!!」

    「いいえ、退きません。
    明日の夜には、必ずお会いできます。
    どうか陛下、、もう一日だけお待ちください。」

    夕鈴付きの侍女達は、夕鈴に心酔するものが多く
    融通が利かない。
    だからこそ、夕鈴を守る最後の盾ともなり得るのだが・・・・

    そこまで言われては、黎翔は引き下がるしかった。

    かれこれ、三日も夕鈴に会えていない。
    明日の夜には、会えるという・・・…
    黎翔の心は夕鈴を求めていた。
    小さな柔らかな身体をぎゅっとしたい。
    部屋が明るくなるような晴れやかな笑顔が見たかった。

    「なにか僕、
    ゆーりんに嫌われることしたかなぁ……」

    木枯らしが心にまで、突き刺さるような冷たい夜。
    渡り廊下を歩きながら、黎翔は一人呟いた。

    それでも、明日の夜は必ず会えると約束されている。
    うなだれた見えない尻尾をほんの少しだけ持ち上げて
    黎翔は、明日の夜を大人しく待つことにした。

    必ず、夕鈴に会えると信じて。




    2014.11.01.改定
    2014.10.30.初稿


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