花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    月晶の雫 11 ※離宮編

    温かなぬくもりの中でまどろむ私の耳に、微(かす)かな寝息。
    普段は、一人寝のはずなのに……
    私以外の誰かの気配に、ぱちり…と私は目が覚めた。

    見慣れぬ天井と寝台の造りに、
    そういえば離宮に着いたのだったと思い出す。

    スゥ…スゥ…スゥ…スゥ…スゥ…

    規則正しい寝息が、背後から聞こえてくる。
    振り向いた瞬間、一瞬で固まった……

    ……ひっ!

    私は、悲鳴を飲み込んだ。

    そこには穏やかな寝顔で眠る陛下の姿。











    夢……かな?

    信じられなくて、もう一度目を瞑(つむ)った。

    だけど、夢から目覚めない!

    ほっぺたを片方つねってみる。

    ……痛い!

    やっぱり目が覚めなくて、両方の頬をつねってみた。

    ……もっと……痛い。

    痛すぎて、涙が出てきた。

    「いふぁ…い…」

    その言葉に…

    「くっくく……」

    お腹を抱えて笑う人。
    寝ていたはずの陛下が、笑いだした。

    私の今までの百面相を見られていたのかと思うと、
    私は、恥ずかしくて“かぁ~~”と身体が熱くなる。

    陛下も、人が悪い……
    ……起きているのなら、起きてると言って欲しかった。

    スゥ……と、大きな深呼吸を一つして、
    大きな声で陛下に仕返ししてやろうと身構えた!

    「きゃああ…ングッ……」

    その声に驚いた陛下が、口を塞ぐ!

    「夕鈴、しぃ……静かに!!!」

    先ほどよりも、近づいた陛下との距離に、私は目を廻しそうだった。


    ……続く


    2013年
    12月04日
    09:26
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