花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    月晶の雫 6

    「碧林に着いたよ!夕鈴、起きて!」

    陛下の呼ぶ声に目覚めると…
    いつの間にか陛下に肩を抱かれて、寄りかかって寝ていたらしい。

    うわぁっ!

    「陛下っ!
    すみません!
    起こしてくれてれば良かったのに……」

    「初めての長旅で疲れていたんだね。
    気持ち良さげに寝てたから…寝せてあげたかったんだよ。
    よく眠れた?」

    「はい!ありがとうございます!」

    どうりで身体が痛くない。

    確かに、よく眠れたので素直にお礼を言ったその時、
    馬車の扉が静かに開いた。

    ひんやりとした冷たい水の香り…
    先ほどまで、赤茶けた荒れ地を来ただけに、水の気配に私はホッとした。

    でも、なんで砂漠の真ん中でこんなにも、水の気配が濃いのだろうか?
    これも、女神の恩恵?


    私は、馬車の外へ出て更に驚いた。

    真夜中に着いたので暗いのはわかるが、月も星も見えない。
    煌々と篝火(かがりび)が焚かれた、広いホールのような場所だった。


    …とても高い天井がある。
    天窓から、星空が見えた。

    不思議そうに上を眺める私に、陛下が囁く。

    「碧林の離宮は、先ほど夕鈴が見てた、岩山をくり抜いて作られているんだ。
    ここは、すでに離宮の中なんだよ。」

    篝火(かがりび)に照らされて、神官達が、整然と並んでいた。
    長らしき一人の老長(ろうた)けた神官が、口を開いた。

    「ようこそ、おいでくださりました。
    国王陛下、お妃様。」

    「出迎え、ご苦労!!!
    久しぶりだな。十年ぶりか?」

    「お出迎えもせず、失礼いたしました。
    ここは、年寄りばかり・・・
    こんなにも、早いお越しとは思っておりませんでしたので、出遅れました。
    お詫びを……」

    「分かっている。
    妃は、長旅に慣れていないのでな。
    ――――急がせた。

    妃を休ませたい。部屋は、用意できているか?」

    「おお・・・こちらが、噂のお妃様ですね。
    手はずどうり用意は、できております。

    長旅でさぞや、お疲れでしょう!
    早速、女官に案内させます。」

    「宜しくお願い致します。」

    私は、陛下と別れて、女官の後をついていった。


    ……続く


    分館からの移設です。
    2013.11.18.初稿 分館
    2014.07.11.移設 さくらぱん
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