花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    紫雨―しう― 7   さくらぱんcolor

    カツ……

    乾いた靴音が、静かな室内に響いた。
    一歩づつ陛下が近づいていく……

    いつもの雰囲気と違う
    硬質で……怖い。
    本能的に、私は一歩後ずさった。

    信じていたものが、崩れ去る音が聞こえた。

    “夕鈴、どちらの私も私だよ。”

    先ほどの陛下の言葉が木霊のように耳に残る。

    優しかった陛下も
    甘い陛下も
    あの笑顔も
    すべては、嘘だったということ?

    認めたくなくて、私は小さく被りを振った。
    青ざめた顔は、冷たい狼陛下しか見えなくて……
    冷たい硬質な笑顔は、いつもの優しい陛下の顔でなくて

    “狼陛下”

    通り名の片鱗を纏い由縁を知った気がした。。

    「ほう?
    私から逃げるのか?」

    鋭い眼光に射すくめられて……
    くず折れそうになる、膝が笑った。

    「……嘘ですよね、陛下?」


    現実と悪夢の狭間で、私は認めたくないのに

    そういえば、あれも?
    コレも?

    どこかで納得している自分も居て……

    「私が、怖いか?夕鈴」





    ……とんっ。

    陛下の近い声の距離に、
    気づけば、壁際に私は追い詰められていた。


    ……続く

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