花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    紫雨―しう― 2.   よゆままcolor

    薄茶の瞳は真ん丸になって、李順を見つめていた。

    「はぁ・・・・・・・・・。」
    「『はぁ』とは何ですか??」
    「すっ、すみません!!!!いえ、あんまりにも突然で・・・。」

    夕鈴は李順の質問に答える風もなく、ただ自分の放った言葉の弁解のみに留めた。

    「確かに突然でしたね。でも、元々ここまでバイト期間が長くなったのも、貴女の粗忽な行動のせいでしたからね・・・本来なら、もうとっくの昔に終わっていたのですから。」
    「はい・・・・・・・・・。」

    夕鈴はぼんやりと返事をしつつ、考えるのは『解雇』された後の自分の生活の行く末。
    下町で何もなかったかのように、過ごす自分。
    そこには勿論の事、陛下はいない。

    寂しい・・・・・・・。

    その感情だけが夕鈴の胸の奥に去来する。

    「とにかく、伝えましたからね。」

    李順さんがそれだけを言い放つと、その場を立ち去った。
    そしてそこに残された夕鈴は動くことも出来ずに、
    身体は銅像のように固まり瞳は虚ろで、何も写さなかった。



    …続く


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