花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】本誌添い「大好き……」  ※ネタバレ注意

    静かな月明かりの夜
    ぼんやりとした灯火を一つだけ灯して、
    夕鈴は自室から蒼い夜空を見上げた。

    頬を撫でる風は、いつの間にか夏めいて
    湯上りの肌を冷ます。

    濡れた髪を無造作に纏めて
    静かに輝く月に
    陛下の面影を重ねた。



    後宮を出てから…
    あれから、ずっと陛下に会っていない。

    もう会うことも出来ない人。
    それなのに……
    思い出すのは、陛下のことばかり。







    後宮では、私を困らせてばかりで……
    演技とは思えないほど
    妃には甘くて……

    傍にいると
    切なくて…苦しくて…でも嬉しくて

    その甘いkiss も
    抱擁も
    私のものなのに……
    辛かった。

    偽りだと分かっているのに
    本物だと勘違いしてしまいそうになって
    困ったの。

    結局、結ばれない。

    身分違いなど
    はじめから知っていたのに





    ……バカね。
    好きと伝えられなくても、
    溢れ出す想いを止められず
    大切に育てていたわ。

    大切だから……
    あなたを忘れたくないの。

    大好きだから
    あなたの傍に、もっと居たかったのに。


    もう会えない。


    あなたに会えない。




    ……どうしよう
    離れたくなかったよ。
     
    会いたいよ。

    ……陛下。

    愛してるって
    言っておけばよかったかな・・・

    沈黙の月に想いを重ねて……
    あなたに想いを馳せる夜。







    大好きよ。

    ……大好き。

    静かな夜は、私に優しく溶ける。








    揺らめく灯火を灯して
    煌々と明るい執務室。

    黙々と仕事をこなす陛下に、李順はため息を零す。
    夕鈴殿が、後宮を辞してからというもの。

    まともにお休みになられていない。

    これから王宮が荒れる時だというのに
    陛下は、何をお考えなのだろうか?

    毎日の浩大の夕鈴殿の報告を糧に
    それ以外は、黙々と仕事をこなし続けている。

    本当に、これでよかったのだろうか?

    「夕鈴を解雇する」

    その言葉の意味は、これ以上王宮の闇に巻き込みたくないとの配慮から
    「陛下の特別」その意味をあの娘は知らない。

    毎日、夕鈴殿の様子を知るために
    懐刀である浩大に、未だに守らせている。

    もう妃でもなんでもない。
    市井の娘への異例の配慮。

    でも、このままでは陛下がお倒れになる。

    「陛下、夕鈴殿を呼び戻してはいかがですか?」

    「・・・・李順。」

    鋭い、陛下の誰何の問いが飛ぶ。
    漆黒の前髪越しに、荒んでしまった鋭い眼光で見つめられて
    ……それ以上は何もいえなくなった。

    李順の口から、重苦しいため息がこぼれた。

    「……ですぎたことを申しました。」


    夜が濃くなった。

    一人になる時間は、君を思い出してしまう。

    窓辺から
    薄墨の雲に重なる月を見上げた。




    大切だから
    時々意地悪をしたくなった。

    いろんなことして
    いろんなとこ触って

    真っ赤に頬染めて
    困るとこ、
    もっと見たくて……

    どうしよう。
    離れたくない 。
    そう思った。

    だけど、ここにいては
    君を守れない。

    離れても尚
    君を愛してる。


    月を見上げて
    もう傍らに居ない君に向けて呟く。



    愛してるって
    もっと、言っておけばよかったな・・・
     
    もっと、君を傍におきたかった。


    大好きだよ。

    夕鈴……大好き 。

    おやすみ、今夜もいい夢を。



    一人大遅刻の
    恋人の日トピック。
    遅刻過ぎて、こっそりup。


    作りかけてたものです。

    続けるのもう無理みたい。

    本誌発売ですね。

    今月号が気になります。


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