花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】幸せの丘で・・・

    本日は、白友Sanaさんのお誕生日
    おめでとうございます。
    sanaさんに、先ほど贈ったプレゼントです。


    00765-1-653.jpg 
    (ネモフィラの花の写真は、まちふぉと様からお借りしています。)

    遠くで蹄の音がする
    軽快な黒龍と紅龍の遊ぶ音が


    青い絨毯のような花の丘
    小高い丘の頂上に
    一本の木陰を作る木の下に
    黎翔は、夕鈴に膝枕をされて
    つかの間の休息をとっていた。

    「お疲れなのね。
    ……陛下。」

    連日の激務。
    少しやつれたみたい……

    夕鈴は、陛下の癖の無い黒髪を
    指で梳(くしけず)

    見渡せば……
    一面の青い花畑。

    「夕鈴、遠乗りしよう。
    君に見せたいものがあるんだ♪」

    どんなに忙しくても、私を気にかけてくれる陛下。
    膝にかかる重みが愛おしい。

    せめて、王としての重い責務から開放された
    今だけは
    私のもとで、休んでいて欲しい。
    この眠りは、誰にも邪魔させない。

    キラキラと降り注ぐ
    木漏れ陽を眩しそうに、顔を背ける陛下に
    夕鈴は、影を作ってあげた。

    “貴方が好き……”

    いつの間にか、貴方を好きになっていたの。
    募る思いを止められず
    愛しさだけが、私を苦しめる。

    いつの間にか、頬を涙が伝う。
    気づけば、陛下の唇に自分の唇を重ねていた。



    気づいて、ぱっと顔を離した。
    恥ずかしさに、顔を赤らめていると……

    「……夕鈴。」

    優しく呼ぶ声。
    嬉しげに見つめる陛下のまなざし。

    「大胆だな、夕鈴。
    王の唇を奪うなど……」

    夕鈴の頬を撫でる指先が彼女の涙を掬う。

    「どうして、泣いている?」

    それは・・・
    それは。

    言えない。
    好きだからなんて、言えない。

    陛下の唇を奪うなんて
    なんて、恐れ多いことをしたんだろう。

    キュッと目を瞑って、夕鈴は自分を悔いた。
    カタカタと身体が震える。
    涙が、ぽろぽろと止まらなかった。

    膝の重さが消えたかと思うと
    陛下にギュッと抱きしめられた。

    「夕鈴、好きだよ。
    君からの口付け、嬉しかった。
    私からもしていいか?」

    爽やかな風が丘を渡る。

    夕鈴は、天にも昇る気持ちで
    陛下と口付けを重ねた。

    何度も…
    何度も…・・・

    「愛している」と
    囁かれながら

    青い花咲く
    幸せの丘で……
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