花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【未来への約束 2 】恋の花1

    何時の日か
    君に伝えることが、できるかな?

    (いと)しい君に
    「愛している」という言葉を…

    甘い香りが誘う初夏の後宮。

    君が、迷子になって一年。
    今年も、匂い紫の花の香りが、後宮の夕鈴の部屋に漂う。

    今年は好奇心旺盛な君が迷子にならないよう、
    僕は先手を打った。

    「去年、君が見つけた秘密の花園に、花を見に行こうか?」

    「いいですね。
    また見たいと思ってたんです!」

    「今度は君が迷子にならないように、
    僕が案内してあげるね。」

    「--っ!
    陛下っ、意地悪ですね!!!
    去年のことは、忘れて下さい!」

    「もう迷子には、絶対になりません。
    陛下に、ご心配かけましたから!」

    強気な言葉に、去年のことが思い出される。
    空振りに終ったほろ苦い告白の思い出と共に。

    僕は、小さくクスリと笑った。
    君が迷子になったって……

    「そう?
    君が、また迷子になっても、
    必ず僕が見つけ出してあげるから、大丈夫!」

    自信たっぷりに、僕は君に約束する。
    きっと僕は、何度でも君を見つけ出すよ。
    何故だか不思議なんだけど、君の居場所が分かるんだ。

    君のことなら、確信できる。
    これも、君への愛故なのか?

    夕鈴の瞳を見つめて、そう伝えると
    「もう…迷子はこりごりです!」
    見当違いの空振りの返事。

    相変わらず、にぶい君の呟きに、僕は苦笑するしかない。

    君を愛しているんだよ。

    回りくどい言葉は、ホントに君には伝わらない。
    僕はいつも君に好きだと伝えているのに、気付かない。

    切なすぎるよ夕鈴。
    「ああ…そうだ!
    夕鈴、美味しいお弁当を作ってよ。
    花を見ながら、お弁当を食べよう!!」

    「素敵ですね。
    では、張り切ってお弁当を作りましょう!」

    少しでも、二人だけの時間を引き延ばしたい。

    無邪気に笑う君を見つめて、僕は綺麗に下心を隠した。

    秘密の花園で君に告白をしようか?

    一年越しの2度目の告白。

    僕から君への愛の告白。

    今度こそ、君の心に届け!!

    ずっと、一生僕の傍に居てよ。

    少しでも、君が居ないのは、嫌なんだよ。

    あんな思いはもうしたくない。

    君が居なきゃ安心出来ない。

    夕鈴に、お弁当を作ってもらい後宮の奥 “秘密の花園”を目指す。

    君は、ウキウキとしながら足取りも軽く、私の隣を付いて歩く。

    カウントダウン。

    動き出した砂時計は、止まらない。

    楽しそうに、はしゃぐ夕鈴を、僕は微笑みながら見つめていた。


    …続く。


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