花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    美味なるもの 5

    あと少しで、お粥が無くなる……

    名残惜しいような君とのひととき。

    僕の我慢も限界だった。
    愛しい君を抱いて、何もしない平和な時間。

    「夕鈴。
    コレが最後の一口だよ。


    僕の知らない君が見たい。

    君の口に運ぶ一匙を 君の口からワザと零した。

    「ごめん、夕鈴。
    失敗しちゃった。」

    ああっ!
    陛下っ!
    また!

    再び、君の唇に付いたお粥。
    予想どおり、怒りだす君は、
    お粥が落ちる前に、ピンク色の舌先で舐めとった。

    その様子をじっ…と見つめていた僕は、
    夕鈴から、空になった椀を奪うと、静かに卓に置いた。

    「夕鈴、美味しかった?
    満足した?」

    「はい。
    ありがとうございます。」

    君は、そう言って僕の膝から降りようとする。

    だけど…僕は、

    「夕鈴、まだ顔にお粥が付いてるよ……」

    君を抱き直して囁いた。
    お粥が付いた夕鈴の唇から、
    僕はお粥を唇で舐め取ってあげた。
    びっくりして、固まってしまった夕鈴。

    柔らかな君の唇に付いた粥は、甘かった。

    「美味いな……」

    ゆっくりと君から粥を舐めとると
    僕は、妖艶に微笑んだ。

    君の何気ない所作が僕を散々煽っていたんだ。

    この味を、もっと味わいたい。
    もっと君を堪能したい。


    「……夕鈴。」

    僕は、うなじを引き寄せ、君に口付けた。

    じっくりと味わってあげるよ、君を。

    柔らかな唇は、どんな美酒よりも甘く僕を酔わす。

    ――――美味なるもの――――

    君は、僕の愛しいご馳走。

    もう僕は、この腕の中の愛しい獲物を逃がすつもりは無かった。


    ー美味なるもの・完ー



    お粗末さまでした。
    大人風味程度の作品は、残すことにしました。
    初稿・激大人味「美味なるもの」 は、分室・蜜書庫でお楽しみください。

    2014.01.16.さくらぱん
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