花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】本誌設定【いいふうふのひ】※11月22日は、いい夫婦の日

    本日、限定トピック・【いい夫婦の日】ラストDAY
    コミュUP品です。
    今日は、余裕なくコミュUP品のまま公開。
    のちほど、誤字脱字直します。






    僕は、君の手の中でくるくると剥かれていく林檎を眺める。

    真っ赤に色づいた林檎は、甘酸っぱい香りを放ち、甘い果肉を露わにしてゆく……

    「……あの、陛下。
    そんなに、見つめられては、剥けませんが……」

    「気にしないで、
    ただ……
    見てるだけだから。」

    それが、困るンですってば!

    夕鈴は、顔を真っ赤に染めながらも、林檎を剥く手を止めない。

    「なんか、いいよね!
    こういうのって!」

    何気ない日常。
    君が偽物の妃であろうとも。
    僕の花嫁は、夕鈴。
    君、一人だけ…

    (誰かに、目の前で林檎を剥いてもらう幸せを君は知らないんだろうな…。)

    同じ時間を共有して政務に関わらないたわいない話を日常会話として楽しむ。

    楽しむことが出来ることを、君と出会って知っんだ。

    ニコニコと笑顔が零れる。

    ◇◇◇

    さっきから、向かい合わせの席で小犬のように、ニコニコと笑いかけてくれる、……陛下。

    ただ……林檎を剥いているだけなのに、どこが面白いのか熱心に見つめてくる。

    真剣で、温かい赤のまなざし……

    (あまり、見つめないで、陛下。
    手元が、狂っちゃう!)

    やんわりと、お願いした私の言葉は、

    「気にしないで!」

    と返された。


    そんな事いわれても……

    向かい合わせのこの距離で、ニコニコと小犬の笑顔で見つめる私の好きな人を、
    意識せずには、居られない。

    ――――顔が熱い。

    私は手元の林檎のように、顔が真っ赤に染まるのだった。

    ◇◇◇

    先ほどから、魔法のように剥かれていく林檎を感心し……
    真っ赤な顔で、チラチラと見つめてくれる僕のお嫁さんを飽きずに鑑賞しているうちに、林檎が剥けた。

    「陛下、お待たせ致しました。
    林檎が、剥けましたよ。」

    器に盛ろうと差し出した夕鈴の手首を掴んだ。

    ……っ!

    そのまま僕は、夕鈴の手づから、林檎を食べる。

    シャリッ!

    歯触りの良い軽い音をたてて、僕は林檎を一口かじった。

    甘酸っぱくて瑞々しい林檎だった。

    「美味しいね!」

    僕は、君の手から、もう一口食べる。
    その時、君の指先も少し食べた。

    甘く瑞々しい果実の甘さ。

    「……な・な・な…」

    君が動揺しているうちに、君の手元の林檎を全部食べた。

    まだ食べたくて、君の手のひらをペロリと一舐めする。

    「陛下っ!!!」

    僕のお嫁さんは、林檎以上に顔を真っ赤に染めた。
    やっぱり、いいよね。
    こんな日常。
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