花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】西の国シリーズ「老師の甘い罠2」

    ……続き

    「夕鈴、ただいま!」
     
    「お帰りなさいませ、陛下!」

    私は、陛下の上着を受け取りながら、
    満面の笑みで出迎えた。

    「今日は、ずっと陛下を待っていたんですよ!」

    「嬉しい言葉だな、夕鈴。」

    「今日は、何の日か知っていますか?」

    「……?
    君の誕生日じゃないし、私のでもないよね?
    分からないな……」

    「ポッキーの日なんですって!」

    「陛下!
    私とポッキーゲームをやりませんか?」

    「夕鈴、ポッキーゲームって
    …………意味、分かってる?」

    「はい!
    教えていただきましたから!」

    「大丈夫?
    夕鈴、わざと負けるの嫌いでしょ!?
    ルール分かる?」

    「大丈夫です!
    私が、勝ちますから!」

    「……それとも私とポッキーゲームをするのは、
     嫌ですか?」

    大きな瞳を潤ませて、僕を見つめる夕鈴。
    こんな時の君は、
    僕を惑わす悪女なんじゃないかと、僕は思う。

    「君がそんなに言うのなら……
     一回だけ。」

    「ありがとうございます!
     では、勝負!」

    キツく目を瞑り、真っ赤な顔をしてポッキーをくわえる夕鈴。
    プルプル震えるポッキーの反対側を僕はくわえた。

    (コレが、宴会の余興と知ったら夕鈴、怒るんだろうな……)

    少しずつ近づく君との距離に、僕は悩む。

    ――――ワザと負ければ君は怒るだろうし。
    君と唇が触れても、泣かれるかもしれない……

    僕の中の悪魔と天使の天秤が激しく揺らめく。

    顔を真っ赤にしながら、必死に真剣になって
    ポッキーゲームをしている夕鈴が、可愛い……

    ……とても可愛い。

    悪魔が囁く。
    このままkissしちゃえ!!

    天使が諭す。
    kissはマズいよ。
    ワザと負けようよ!

    君と僕との真剣勝負。

    僕の苦悩は、ますます深まっていく。
    11月11日は、ポッキーの日。

    悩める青年が元気になれる(はず…)の日。





    ポッキーは、どんどん短くなっていく。
    真剣勝負のゲームの行方は、神のみぞ知る。

    おしまい



    2014.11.11.改定
    2013.11.11.初稿
    関連記事
    スポンサーサイト

    管理者にだけ表示を許可する