花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【Yコラボ7】if設定 『真緋-あけ‐の口付け』 本編 慎さん挿絵付き

    少しだけ自分の立ち位置とスタイルを見失っていて、取り戻すべく白友さんでありブログ仲間でもある『遥か悠遠の朱空へ』のよゆままさんにコラボでお相手していただきました。
    やっぱりよゆままさんとのコラボはいいですね。
    なんの打ち合わせもせずにサクサク進むコラボには、たまらない魅力を感じます。


    今回は、よゆままさんの『遥か悠遠の朱空へ』と
    よゆままさの自宅に飾っています
    慎さんからブログに最初に戴いたイラストをイメージして作りました。
    すでに『遥か悠遠の朱空へ』では、すでに 『真緋-あけ‐の口付け』 作品をUPしています。

    ダブられても楽しめるようにさくらぱんver.と裏話をお楽しみください。


    最後になりましたが、よゆままさんコラボありがとうございました。
    また遊んでくださいね。                       2013.08.30.さくらぱん


    ◇暮れなずむ夕刻の四阿
    ◇景色が真緋-あけ‐に染まる・・・

    ◆IF設定。両片思い。はよくっつけや設定。
    ◆本誌の事故キス風。
    ◆夕鈴のファーストキスは事故。
    ◆二度目のキスまでの悶々とした二人(笑)


    ◆◇◆


    『ゴメン……』
    だなんて……言って欲しくなかった。

    『あれは、はずみの事故だったんだ』
    陛下の口から言われた言葉が頭の中でグルグル回る。

    そんなこと言われた私は如何すればイイの?
    少しは嬉しいって思ってしまった自分が、イケナイ想いを抱いたみたいじぁない……。


    一人ポツンと佇む夕刻の四阿。
    暮れゆく火輪は、空いっぱいを朱色に染める。

    胸に広がる想いを押し殺して見上げると、綺麗な朱色の空が滲んでいる。

    「えっ?私、泣いてるの……」

    手の甲ををそっと頬に触れさせると、微かな滴で濡れている。
    そのまま指先を唇に当ててみる。

    まだ……感覚が残っている。
    それは初めて口付け。

    初めて知った口付けでこんな苦い思いをするなんて、思わなかった。


    ――そう。

    私にとって一生に一度だけの忘れられない口付け

    思い描いていたものではなかったけれど……

    あれは私が招いた事故だったけれど……

    大好きな陛下と交わしたたった一度の甘い記憶。

    陛下が忘れようと言っても、私は忘れることなど出来ない

    甘やかなハプニング。

    確かに嬉しかったはずなのに……

    陛下から『無かった事』にして欲しいと暗に言われた時の失望感。

    思い出すだけで、この胸がツキン……と鋭く痛む。

    苦い記憶。

    ……いつの間に、こんなに陛下のことが好きになっていたんだろう。

    愚かな願いを抱くほどに……

    ……いつまで陛下の傍に居られるのかしら?

    この恋を隠し切れない。

    いつかは陛下に、この気持ちを気付かれてしまうのかな?

    こんなことを考えているなんて…………臨時花嫁失格だわ。






    夕鈴の巡る想いを表すかのように、真っ赤に染まる四阿の池に
    くるくると赤とんぼが飛ぶ。

    円を描いて行ったり来たり…………彼女の心の揺れる想いをとんぼが行きつ戻りつ飛んでいく。

    夕鈴は見るともなしに池を見る。
    凪いだ水面に想いを映すかのように赤とんぼが波紋を作る。

    一つ・・・二つ・・・増えて行く恋模様。
    儚く消えては、また形作る音の無い穏やかな水紋。

    今を盛りに燃え盛る炎ようなイロハ紅葉。
    鮮やかすぎる夕焼けの空の朱。

    私の瞳に映る夕刻の景色は、温かな陛下の瞳の色。
    胸締め付ける私の恋の色。.

    叶うはずの無い恋に諦めきれない涙が伝う。

    陛下にとっては、気にも留めることの無い口付けだけど
    私はとっては…………。

    私の頬を秋風が優しく撫でる。
    伝う涙がとても冷たく感じた。

    流れる涙を拭うことも出来ずに、夕闇迫る鮮やかな景色に物思いにふける。

    一番星が、薔薇色の空に耀きだした。

    それでも夕鈴はそこから動かなかった。

    景色が美しければ美しいほど彼女の魂が惹かれる。
    惹かれる魂は、しだいに陛下へと想いを馳せていく。

    物思いに更ける夕鈴は、夕刻の四阿で自分の内に囚われていく。
    しだいに周囲への関心を忘れていくのだった。




                  ◆◆◆




    後宮へ訪ねてみると、夕鈴が戻ってないらしい。
    何処に行ったのか・・・・・。

    まさか、まだあの四阿に居たりするのだろうか。
    もう、夕暮れが迫っている。
    陽が落ちてしまえば、辺りは夕闇に支配されてしまうというのに。

    「先程の事で、もしや思い悩んでいるのだろうか。」

    確かにはずみの事故とはいえ、予期せぬ口付けをしてしまった。

    夕鈴はどう思っただろう。
    ・・・・・・口付けなぞ、男の自分にとっては何ともない事だが。
    夕鈴には迷惑な事だったのか。

    黎翔は心の奥にわだかまりを抱き、夕鈴を探し歩く。

    「いた!!」

    夕鈴は先程の四阿の傍の池の畔に座っている。

    「ゆう・・・・・。」

    声を掛けようとしたが、夕鈴の様子に声が出ない。
    何だか夕焼けの朱に吸い込まれて消えて行きそうで。

    黎翔はそのまま、近付く事も出来ずにその場に立ち竦んだ。

    暮れなずむ夕景に染まる景色の中で
    肩を少し竦ませて、夕鈴は沈みゆく夕陽を見ていた。

    心なしか夕鈴の後姿がどことなく淋しく見える。

    一陣のそよ風とはいえぬ風が四阿に吹いた……
    夕刻の風に吹き散らされた柔らかな髪。

    風に乱された髪を抑えたとき、横顔の彼女の頬に光るものを黎翔は確かに見た気がした。

    ―――夕鈴が泣いて・・る。そんなに嫌だったのか・・・・・。

    落ち込む自分がいた。
    そんな風に感じる自分に少し驚きを禁じ得ない。

    「夕鈴、ごめん。」

    不意に謝罪の言葉が口をついて出た。
    確か、先程も夕鈴に向かって言った言葉だ。

    「陛下はゴメン・・なんですね。」
    「???」

    思ったよりも大きくなっていた声に、座りこんだ夕鈴の耳に届いたようだ。

    「だって、夕鈴・・・泣いているから。」
    「―――泣いているから、『ゴメン』なんですか・・・。」

    夕鈴の声はいつもよりもワントーン低い。

    「そんな、謝らないでください。あんなの・・・・事故なんでしょう??」

    ―――やっぱり、夕鈴は引っ掛かっているんだ。先程の口付けのことが。

    予感が確信に変わる。

    ―――なんて答えればいいのだろう。
    事故でも嬉しかった・・・・なんて事は云えない。
    例え、そう思っているとしても・・・・これ以上傷つけたくはない。

    黙りこくる黎翔に、夕鈴はただ静かに返事を待つ。
    二人の間にぎくしゃくした雰囲気が漂う。




    「……ん…です。」

    夕刻の風に攫われた彼女の小さな呟き。
    途切れ途切れのその言葉に、黎翔は、自分の耳を疑った。

    鮮やかな夕景に溶け込みそうな儚げな姿で、
    かすれた声で呟く夕鈴。

    その儚さに黎翔は彼女を抱きしめたい衝動に駆られる。
    このまま…消え失せてしまうのでは、なかろうかと思ったから。

    泣いていたのを見てしまったからかもしれない。

    夕鈴は黎翔に振り向かず顔を俯いて呟く。

    今、陛下の顔を見てしまったら、溢れる気持ちが陛下へと溢れ出しそうだったから。

    「……嬉しかったんです……」

    もう一度呟いた
    二度めの呟きは今度はハッキリと黎翔の耳に届いた。

    (え…今、何と言ったのか?)

    耳を疑った黎翔は、驚きを隠せない。
    では、何故泣いているのだろうか?

    黎翔は座りこんだ夕鈴の後ろにそっと近づき、その頼りなげな背中を包み込むように抱きしめた。
    夕鈴はビクッと一瞬肩が震え逃れようとするが、黎翔は離さなかった。

    そして、耳元に優しく囁く。

    「夕鈴、嬉しいって言ってくれたの??」
    「えっ!!聞いていらしたんですか。」
    「うん。聞えたんだ。」
    「そうですか。」
    「ねぇ、夕鈴・・・・・・どうして泣いてるの?」

    ―――訊いてしまった。
    ―――訊かれてしまった。

    二人の間に沈黙が走る。


    「・・・・・・・・言わないとダメですか。」
    「気になるんだ。」
    「あの・・・・・・・・・・初めてだったのに・・・・・・・無かった事にして欲しいって仰るから。」
    「だって、夕鈴。あの時は、ああ言うしか・・・。」

    確かにあの時、ビックリして陛下の顔が見れなくて俯いてしまった。
    それが陛下に要らぬ誤解をさせてしまったの??
    本当は嬉しかった・・・のに。

    君が、僕との口付けを嬉しかったのだということを知った。
    君の頬を伝う涙の意味も……

    君の言葉が、僕の胸を躍らせる。

    この腕の中で、自らの告白に頬染める君がとても可愛い

    愛らしく愛おしい君に今すぐkissしたい。

    事故ではなく、意思の或る口付けを。

    湧き上がる純粋な欲望のままに……

    ……君に初めてのキスを贈りたい。

    黎翔は気付いたら口に出していた。

    『夕鈴……ファーストキスをやり直そうか。』


    img0742-1.jpg   ↑ Wクリックで全体が見れます。     (2013.09.03.挿絵☆麻杉慎さん)


    「えっ??」

    榛色の瞳を見開いて、驚く表情に変わる君。
    その愛らしい瞳にまずは口付けた。

    「へ、へいか・・・・・・・・あの・・・・・だから・・・それは・・・少しマズイのでは・・・。」
    「黙って!!」
    「はい。」

    『ダメだ』なんて言わせない。
    君の本心ではない事は、もうわかっている。

    だから、君に口付けを捧げたい。
    この湧き上がる愛しい想いと共に。

    伝えたいんだ。
    僕の・・・・・・・・・・・・一つの本心を。

    「夕鈴……僕でいい?」

    優しく引き寄せた君に意味など無く問いかける。

    君に口付けたい。

    この衝動を押さえ切れない。

    鼻先が触れるほどの距離で囁く。

    『僕は今すぐ君とkissしたいんだ。』

    囁きが終わるよりも早く、君の柔らかな唇に……触れた。

    「んん……っっ」

    あんな一瞬の口付けと呼べないほどの事故では味わえなかった。

    君の甘い唇。

    はじめての君を怖がらせないように、
    優しく触れるだけの口付けのつもりだったのに……

    君の心を知った僕は、溢れる想いを止められず……
    貪るように君を求めた。

    (もっと……君を知りたい。もっと君を味わいたい。)

    抱き締める腕の中の君は、戸惑いのままに……
    僕との口付けに酔わされていく。

    夕刻の四阿。

    真緋ーあけーに染まる景色の中で、僕と君は始めての口付けを交わす。

    もっともっと・・・・と止めどもなく君を求める貪欲な想い。
    荒々しく、たぎる想いに口付け続ける。

    「あぁん・・・・。」

    君の声が艶色に染まる。
    そう、この空の真緋のように。

    暮れなずむ真緋の景色の中で、四阿に一つの長い影が伸びる。

    僕の腕の中で酔わされていく君を愛でながら……
    僕は止まらない想いを君に伝えた。

    何度も口付けの角度を変えながら、消えない口付けを君の胸に刻んだ。



    ― 真緋-あけ‐の口付け・完 ― ↑



    ……エピローグへ続く





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    1225:管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    2013.08.30 12:48 # [EDIT] 返信
    1226:よゆままさん 8/30 コラボ&コメントありがとうございました。

    見ましたの印v-344

    きゃあi-178

    熱いコメントありがとうございます。

    相愛ですか? 相愛です!!!

    また次回のコラボも、宜しくお願い致します。ぺこり。

    2013.08.31 08:42 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1269:管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    2013.09.03 23:59 # [EDIT] 返信
    1270:麻杉慎さん 2013/09/03 コメントありがとうごさいました。

    見ましたの印

    さっそく飾ってみました。

    慎さん、如何でしょうか

    この辺りでしょうか

    一瞬を切り取った絵にドキドキします。

    お忙しいのにありがとうございます

    凄い嬉しいです。

    慎さん改めてイラストありがとうごさいました。

    2013.09.04 00:33 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1271:管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    2013.09.04 01:09 # [EDIT] 返信
    1272:慎さん 2013/09/04 メール&コメントありがとうございます。

    見ましたの印v-344

    無事に受け取りました。
    ありがとうございます。
    真夜中でしたので、メールは控えました。
    返事は今日お返ししますね。

    > 「マジでkissする五秒前」な感じで仕上がってましたか・・・?
    はい。
    希望どうりの萌えイラストです。
    表情がいいですよね。
    一瞬の表情を切り取ったかのような躍動感もあって・・・・
    慎さんにお願いして良かった。
    作品に組み込むとさらにコラボ品の完成レベルが上がったように感じます。
    素敵なトリプルコラボで嬉しいです。
    挿絵があるとリズムが生まれる気がします。
    ニュアンス伝わりますか?


    こちらこそ我侭なお願いを聞いてくださって感謝します。
    ありがとうございます。
    例の作品も楽しみにしますね。

    さくらぱん

    2013.09.04 06:47 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1275:管理人のみ閲覧できます

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    2013.09.04 07:20 # [EDIT] 返信
    1276:よゆままさん 2013/09/04. コメントありがとうございました。

    見ましたの印v-344

    久しぶりのよゆままさんとのコラボに挿絵下さい。と言っただけです。すべては、慎さんのご好意ですよ。

    私は、何もしていませんから。


    あら?

    挿絵の挿入位置まで一緒でしたか。

    面白い。

    コラボのみならずシンクロ私も嬉しいです。

    直感でココと思ったのです。無意識下の宇宙でよゆままさんと繋がっていたのかも知れませんね。

    2013.09.04 10:40 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1277:管理人のみ閲覧できます

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    2013.09.04 10:42 # [EDIT] 返信
    1278:Fullむんっさん 2013.09.04. 拍手コメントありがとうございました。

    見ましたの印v-344

    慎さんの素敵イラストに

    どこまでも空高く萌えの花火を打ち上げてください。

    そして完全燃焼してください。

    2013.09.04 10:47 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1292:管理人のみ閲覧できます

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    2013.09.04 21:46 # [EDIT] 返信
    1293:OCOさん 2013/09/04 拍手コメントありがとうございました。

    見ましたの印v-344

    ぐいっっっ!!!とOCOさんも陛下にやられたいですか。

    そうなんです。
    エピローグに繋がるんです。
    何度でも美味しいのです。

    いくらでも、おかわりどうぞ~♪ 

    2013.09.04 21:51 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1294:管理人のみ閲覧できます

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    2013.09.05 01:55 # [EDIT] 返信

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