花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【パラレル】『千夜一夜』21

    こちらは、SNSにて『パラレル・コミュ』『アラビアンナイト』トピックにて、さくらぱんが昨年書きました。
    現在、トピは途中放棄になっています。
    再開は、未定です。
    ご了承ください。
                 
        ◇◇◇


    最初の5日間は、花婿である黎翔王のお祝い。

    宵闇が深くなる頃に、続々と黎翔王を祝う賓客が参ります。

    深夜、厳しい戒律にのっとった黎翔王の披露宴が始まりました。

    甘いお菓子やアルコールの無い飲み物が金の杯に注がれます。

    金の器に山盛りのフルーツ。

    異国から、取り寄せた珍しい果物。

    ・・・・・長い5日間に及ぶ宴の始まり。




    白いカフタンやトープを着て白いシュマーグをクーフィーヤで止めた賓客たちは、

    夜更けの晩餐会まで、ひたすら談笑し、黎翔王を待ちます。

    皆、ゆったりと寛ぎ、時を過ごします。

    誰も急ぐものの居ない祝いの宴の席

    時折、水タバコを吸いながらの談笑は花婿である黎翔王が

    お出ましになるまで続くのです。

    王の登場後、腰に下げられた剣を掲げ、祝いの剣の舞をみんなで踊るのです。

    邪気を払い、新しい門出に相応しく、過去を薙払い花婿を祝福するために…




    言い忘れておりました。

    神の戒律を厳しく守り、給仕や料理に携わるものは、すべて男性なのでございます。

    祝いの歌や踊りもすべて賓客である男のみ。

    実にアッサリしておりますが、5日間の料理や使われている器や大広間の調度品は、

    5日間一度として同じものがありませんでした。

    大変豪華な披露宴でございます。



    日付が変わる頃、夜更けの晩餐会の料理を食べ終わると

    一人、また一人とぽつりぽつりと帰ります。

    今まで、待たされていたぶん拍子抜けしそうですが、

    花婿というものはこの国ではこんなものでございます。

    そのような花婿・黎翔王の結婚式でございました。







                  ◆◇◆



    『皆様方、今宵はここまでに致しましょう。』

    『旅の疲れがでてまいりました。』

    『そのかわり、明日は、華やかな夕鈴姫・女達の披露宴の様子をお聞かせすることを

    お約束いたしましょう。』

    『申し訳ありませんが、今宵はお開きに…』

    『皆様方、ご機嫌よう…では、また明日の晩お会い致しましょう。』

    そう言って、冷たい夜風の中、吟遊詩人は去って行った。



    さくらぱん作


    2012年
    10月11日
    18:43
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