花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【パラレル】『千夜一夜』15

    こちらは、SNSにて『パラレル・コミュ』『アラビアンナイト』トピックにて、さくらぱんが昨年書きました。
    現在、トピは途中放棄になっています。
    再開は、未定です。
    ご了承ください。
                 
        ◇◇◇


    黎翔王に仕える大臣には、満月のように美しい夕鈴姫という一人娘がおりました。

    夕鈴姫は、ただ美しいだけではありませんでした。
    誰よりも多くの本を読み、誰よりも多くの物語を知っていたのです。

    大臣である父親は、そんな娘の誰よりの理解者でした。
    国内外から書物を取り寄せ、姫に与えました。
    姫には、特別な先生を付け言語を教えました。

    いつしか彼女は、取り寄せた原書をすべて理解し読めるまでになっておりました。
    豊富な知識とともに、豊かな想像力も、持っておりました。

    姫の楽しい話は、父親である大臣の一番の楽しみでした。
    そして、だれよりも勇気があり、慈愛がありました。

    夕鈴姫は、自分から進んで『狼陛下』の花嫁になったのですから。




    今日も、夕鈴姫の宮殿から嘆きの声が聞こえます。
    また一人黎翔王の若いお妃様が亡くなったのでしょう
    悲痛な泣き叫ぶ葬送の声は、国中がお葬式のようでした。

    夕鈴姫は、宮殿のバルコニーから王宮を眺めます。

    そこに、住まう黎翔王の心の傷は、いったいどれほど深いのでしょうか・・・・と
    いつまで、こんなことが、続くのでしょうか・・・・・と

    はしばみ色の瞳は翳り、ピンクの可愛らしい唇を嚙みしめて
    涙を湛えて王宮を見つめます。

    「こんなばかげたことは、終わりにしなくては。」

    そう言って大臣である父のもとに、黎翔王との謁見を申し込むために歩き出しました。
    その足取りは、しっかりと前へ、夕鈴姫の顔は揺るがない決意に溢れていたのです。

    さくらぱん作


    2012年
    09月25日
    12:52
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