花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    西国の使者の物語(3)

    おはようございます。
    さてさて、キリリクの続きになります。
    まったりチマチマ更新です。

    sana


    ※本物夫婦。大人味。オリキャラあり。捏造設定あり。要注意。 



                                                                               ◆◇◆

    「陛下!待って下さい!」

    声を張り上げるも、私を抱えた陛下は何も言わず、足早に後宮の門を潜る。

    「陛下!」

    どんなに呼び掛けても陛下は何も言わない。

    まずい。
    本気で怒らせた。

    陛下はとても独占欲が強い。
    だから少しでも何かあると不機嫌になる。

    今回は本気で危険な香りがする。

    だって手に口づけされるなんて思わなかったもの。





    「なんて綺麗な人だろう」

    その西国の使者を見た時の私の一番の感想はそれだった。

    私が今まで見た男性の中で一番麗しい容姿なのは陛下だ。
    その陛下に劣らぬ美貌に私は感嘆した。

    濃い睫毛に縁取られた大きな瞳、ターバンから覗く暗褐色の髪は堀の深い顔立ちを引き立たせる。
    陛下が天からの遣いのような美しさなら、彼は大地の使者だ。
    日に焼けた肌が健康的な力強さを演出する。
    西国の衣装であるガウンをゆったりと羽織った姿は、その下にある鍛え上げられた肉体を想像させる。
    エキゾチックなその装いに女官たちの口には出さない感嘆の声が聞こえてくるようだ。

    これほどの美貌の人を女は放っておかないだろう。

    ひと騒ぎありそうね。

    私は使者殿の愛想のいい挨拶を聞きながらそんなことを考えていた。

    後から陛下には散々攻められたけど、その考えに気をとられ油断していたのだと思う。

    でも、まさか陛下が隣にいる時にそんなことされるなんて思わなかったもの。




    西の国の使者に手をあげようとした陛下を止めた時の言葉もまずかったかもと私は後悔した。

    「何でも言うこと聞きますから、使者殿に手をあげないで下さい!」

    そんなこと言うんじゃなかった。

    でもここで何かがあれば国際問題になってしまう。
    下手をすれば戦だ。

    もう!どうすれば良かったの!?



    ぱしゃんと言う水の音に私は顔を上げた。

    「きゃあ!」

    次の瞬間私は頭からずぶ濡れになった。

    IMG_1565.jpg   IMG_1567.jpg

    慌てて水面に浮かび上がり周りを見回すと、そこは国王専用の湯殿だった。

    陛下が目の前でいつもとは違う豪華な衣装を脱ぎ捨てていく。

    あんなところに置いたら濡れちゃう!

    と言うか私の衣装!
    この会談の為に作られた豪華な衣装はすっかり濡れて台無しになっていた。

    高価な布なのに!!


    「陛下!何をするんですか!?せっかくの衣装が台無しです!」
    「他の男を誘惑する為の衣装が必要か」
    「王妃としての衣装です!」

    この衣装だけでどれだけの税金がかかっていると思ってるの!?

    そう思って声を張り上げると陛下を包み込む空気が更に冷たくなった。

    温かい湯殿の中なのに寒気がする。

    私は湯殿の中を後ずさった。

    「我が妃は美しい花びらをまとい、他の男を誘惑するか…」

    近づいてきた陛下に腕を捕まれる。

    「いらぬな、そのようなものは」
    「痛っ」

    腕を掴む手に力が入り涙が滲む。

    「他の男に触れさせるなとどれほど言えば分かる!?」

    陛下の憤りに私は息をのむ。
    私に対してこれほどの怒りを見せる陛下ははじめて見た。

    「他の男に君を見せるだけでも腹立たしいのだ」

    「ごめんなさい」

    口からは思わず謝罪の言葉が出た。
    この人に嫌われたくない。

    「でもっ不可抗力だったんです!」

    捕まれた腕を強引に引かれ陛下の胸に倒れこむ。
    髪を捕まれ強引に上を向かされる。

    開いた唇の隙間から陛下の舌が潜り込み口の中を蹂躙する。


    「私が好きなのは陛下だけです」


    荒々しい口づけから開放された私は陛下の胸に頬を押し当て陛下に訴えた。


    「証明してみせよ。…それから触れられたところは消毒せねばな」



    ・・・続く

    2013年
    07月24日
    07:10
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