花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    西国の使者の物語(2)

    こんばんは〜。
    キリリク続きになります。
    帰宅後にさくらぱんさんから頂いた使者殿の絵をupしました♪
    そこからアラビアンな世界に走り出したので(笑)
    私とさくらぱんさんしか楽しくないかもしれません(笑)
    ちまちま更新になりますので、気長にお付き合いいただければ嬉しいです♪


    sana








    ※本物夫婦。オリキャラあり。捏造設定あり。 



                                                                       ◆◇◆



    狼陛下との謁見は内々で行われることになった。
    まだ条約を結ぶ前段階の打合せだからだ。
    条約の締結時には両国で華やかな式典が行われることになるだろう。

    私は謁見の間で狼陛下を待つ。

    非公式とは言え王族同士の会見だ。
    用意された部屋には品のいい調度が揃えられている。
    華美を控え実用的な落ち着いた雰囲気の部屋は現実主義者と言う評判の狼陛下の人となりを感じさせる。
    ただ1つ、この国でしか作れない白磁の大きな壺が目にはいる。
    彩飾の難しい赤い紋様が白磁に映える。
    吉兆紋様の描かれたこの壺は、西の国へ持っていけば、同じ大きさの金と取引されるだろう。

    狼陛下はなかなかの趣味人のようだ。

    私は正面に視線を戻した。
    王族の私が来たから国王自らが迎えてくれるとのことだ。
    この条約をうまく締結できれば、両者にとって益になる。

    狼陛下の入室が告げられ、見事な細工の重厚な扉が開かれた。



    その乙女を見たとたん、私は息を飲んだ。
    乙女は夜明け前の空にかかる三日月のように美しかった。
    乙女は口元に稀なる微笑みを浮かべ、私の方へと歩いてくる。

    私はろくに挨拶もせず、彼女の前に進み出、膝まずいた。

    「世にも美しいお方、神が貴女に幸運をおさずけになりますように!」

    すると乙女は、艶やかに微笑んでくれた。

    「ようこそいらして下さいました、使者殿。お待ちしておりました」

    鈴が転がるような声で挨拶された私は舞い上がった。
    この乙女こそ、私がずっと夢見ていた方!

    「我が国にまいりませぬか?』

    私は乙女に言い募る。

    「貴女こそ、私が幼少より思い描いていた理想の女性。私は貴女を幸せにして差し上げたい。ぜひ我が国へ!」

    乙女は戸惑ったような笑顔を見せる。

    「砂漠の砂のように清らかな方、我が国には貴女にお見せしたいものが沢山あります」

    私は乙女ににじりよる。

    「貴女に、星降るような満天の星空をお見せしたい…」

    それはこの乙女にこそ相応しい情景だ。

    「あの…使者殿、私はこの国の…」

    乙女は何かを言いかけるけれど、私はもう我慢が出来なかった。


    清らかな月の光のように輝く乙女のの手首にうやうやしく口付けた。


    IMG_1502.jpg    IMG_1504.jpg


    「きゃっ」

    乙女の手が引き剥がされる。
    私は殺気を感じて後ろに飛び退いた。

    一陣の風が私を掠め、髪と頭を覆っていたターバンの一部がはらりと舞う。

    乙女は隣に立っていた男性にしがみついていた。
    この姫の兄か何かだろうか。

    「陛下…」

    ああ、この方がこの国の王か。
    狼陛下の名からは想像していなかった、若くて美しい王。
    その高貴な迫力は人を寄せ付けない野生の狼のようだ。


    「お美しいご兄弟ですね」

    私はその目にも美しい二人を称賛した。
    乙女が小声でなにやら王に訴えている。


    「使者殿…」
    「はい」

    美しい妹君に対していきなり口説いたのが不味かったのか、狼陛下は込み上げる怒りを辛うじて押さえていると言った風情だ。
    この美しい乙女をそれは可愛がっているのだろう。

    「我が最愛にして唯一の花への無礼はこの度は不問にしよう。我が妃の願いだ。貴殿が両国にとって実りのある交渉することを期待する」

    狼陛下は乙女を引き寄せると、いきなり自らのそれで唇を塞いだ。

    初めは抵抗をして乙女は、しばらくすると力を抜き身を任せた。

    胸が痛むと同時に、その美しい夢のような光景に見惚れた。

    狼陛下が乙女を抱き上げ謁見の間から立ち去る。

    私は恋い焦がれた夢の乙女がただ連れ去られるのを見守るしかなかった。



    ・・・続く

    2013年
    07月22日
    21:29
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