花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【パラレル】『千夜一夜』2

    こちらは、SNSにて『パラレル・コミュ』『アラビアンナイト』トピックにて、さくらぱんが昨年書きました。
    現在、トピは途中放棄になっています。
    再開は、未定です。
    ご了承ください。


                     ◇◇◇

    スルタンの王宮のハレム

    ーー水と緑の溢れる中庭。

    涼しげなミストを作り
    周囲を冷やす噴水。

    強い日差しが、水面を強く反射させる
    青のモザイクの壁を光りに煌めかせ眩く輝かせる

    豊富な水と緑は王族の特権

    噴水に埋め込まれた貴石が輝く
    金玉・紅玉・碧玉・青玉・アメジスト・・・
    様々な色で、噴水の底に揺らめく輝石の孔雀のモザイク

    王女・夕鈴は噴水の橋に座り込み、冷たい水に片手を浸す

    華奢な腕。いまだに陽に焼けたことのない白磁の肌は、
    水中に揺らめき水中をかき乱す。
    いたずらに、はじけ飛ぶ水滴は、七色に煌めきながら落ちていく。

    連ねた細い金細工の腕輪かシャランと水に濡れた涼やかな音を鳴らした。

    『ああ・・・・つまらないわ。』

    『お父様は、お忍びはダメだというし・・・』

    『早く、結婚しなさいとお見合いばかり・・・』

    『まだ、召使いたちがいう』

    『身も心も溶けてしまうようだという恋さえしたことないのに・・・』

    立ち上がり、金茶の髪を両手で後ろに払いよける。金茶の髪がキラキラと、陽の光りを浴びて黄金色に輝く。
    大きなピンクローズの水晶をはめ込んだ丸い繊細な金細工のイヤリングが揺れる

    豊かに光り輝く金茶の髪が、さらさらと零れ落ちる
    まだ、幼さが残る王女には、結婚など、まったく考えてなど居なかった。

    父王への反発から、夕鈴王女はピンク色の唇を尖らせ拗ねるのだった。

    ほぉ・・・
    小さくついたため息は、誰にも聞こえず、空に消えた。

    はしばみ色の綺麗な瞳が青空を舞う鳥を見つめる。

    空に両手を差し伸べる。

    『あの鳥のように、自由になりたい・・・』

    『息が詰まる王宮から逃げ出したい。』

    『自由になりたい。』

    眩しそうに空を見つめ、あきらめた呟き

    『・・・・・恋がしたいの。

    両腕が、だらりと落ち

    両手の腕輪が、シャランと悲しげに音を奏でた

    そのまま・・唇を嚙みしめて、噴水の流れ落ちる様を見る。

    大きな瞳に溢れそうな涙が、ひと雫、煙ぶる睫(まつげ)に落ちていた

    ・・・・ゆ・・うり・・・ん・・さま。ゆうりんさま・・どちらに・・夕鈴様ぁ

    探している声がする。聞きなれた声に、慌てて零れそうな涙を拭いた。

    少し、ブルーのアイラインが滲み、目が赤い。

    背筋を伸ばして呼び声に答えた。

    『私は、ここにいます。何事ですか?』

    こちらにおいででしたか?

    スルタンがお呼びです。

    至急、ベールをお付けくださいませ。

    大事なお話があるとのことです。

    大至急、お仕度を・・・

    部屋に入ると、夕鈴王女付きの召使達が、
    夕鈴の帰りを待っていた。

    衣装を着付け、新しい宝飾品に変える

    泣き崩れた化粧を直し、新しいアイラインを引いた。

    唇には、咲き初めた睡蓮のような瑞々しい。ピンク色の紅。

    淡い薄紫の王女の衣装に、濃い青紫のヴェールで、身体の線を隠す。
    同じ口元にも、濃い青紫のヴェールを着け、金鎖で編んだ髪飾りでヴェールを止めた。


    さくらぱん作

    2012年
    09月15日
    20:21
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