花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】if『泡沫の夢―うたかたのゆめ―』

    もしも・・・・、後宮から去った夕鈴の未練の日常





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    まぶたの裏に
    鮮やかに蘇る

    あなたの声 ……あなたの面影。

    捕まえたくて、手を伸ばしても、
    この手は、虚しく空を切る。

    泡沫の夢……まぼろし 。

    面影橋から川面を覗けば、そこに写るのは、私一人。
    私の背には誰もおらず……ただ、青い空が映るだけ。

    川面に映る中に、あなたの面影を探す。
    どんなに探してもあなたは、居ないというのに…

    あれは、泡沫の夢。
    この国の王と王に愛されたたった一人の寵妃の夢。
     
    鮮やかすぎた過去の私。

    夢から覚めた私は、面影橋を渡る…
    あなたに愛された記憶を川面に流して日常を送る。

    穏やかな下町での日々。

    時折、懐かしんでは、面影橋から川面を覗く。
    もしかしたら、昔のようにあなたがひょっこり現われないものかと期待しながら……
    繋がりの切れた私たちに、そんな奇跡は起きないというのに。 


    川面には、綺麗な空が映るだけ……
    いつの間にか、季節は過ぎて
    対岸の赤い萩の花が、風に吹かれて咲いていた。
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