花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】本編設定『紫陽花の恋』

    ◇今日は、通院日で仙台です。
    なんだって、大きな病院って予約していても待たされるのでしょうか…(T_T)

    ヒマ時間で、一本つくってました。

    一発書きです。

    辻褄あわなくて、多少強引展開。

    それでもよければ、どぞ。



    ひと雨ごとに鮮やかさを増す紫陽花。
    梅雨の晴れ間のひと休み。

    夕鈴は、陛下と共に後宮の一角にある紫陽花園に花を愛でに来ていた。
    うだるような蒸し暑さが続く日々に、ひとときの清涼感。

    夕鈴は、紫陽花の青を抜き取ったような夏衣を着ていた。
    身体の線が透けて見えるほどの涼しな麻の衣装は、見た目と同じにとても涼しかった。

    夕鈴は、日差しに煌めく色素の薄い金茶の長い髪を
    夏らしく、ひとまとめに結い上げて、うなじを出して涼しくしていた。
    後れ毛が、日の光に透けて金色に耀く。
     
    銀に青玉を嵌め込んだ胡蝶紋様の髪飾り。
    おそろいの耳飾りがシャランと揺れる。

    触れ合う銀の玉響の音。
    涼しげなその優しい音色が、陛下の耳を楽しませる。

    「陛下、自分で歩けます。」

    「降ろしてくれませんか?」

    困ったように眉を寄せ、恥ずかしげに頬を染めて俯く夕鈴に、
    陛下は優しく穏やかに微笑む。

    明るい紅玉の双眼が、はしばみ色の瞳を優しく見つめた。
    聞き分けのない子供を宥めるような、イタズラな口調。 

    『降ろせないな…』

    『昨日まで、長雨が続けていたから、道が、とてもぬかるんでいる。』

    『私は、革靴だからいいが、君は絹靴だ。』

    『汚れると君が困るだろう?』

    せっかく抱きしめていることの出来る理由ができたと言うのに
    愛しい君は、すぐに私の腕から逃げ出そうとする。
    少しもったいをつけて、もっともらしく夕鈴に理由を述べた。

    『今日は、私が君を抱いていていよう…。』

    『君が困るより、ずっといい。』

    『君も、私に任せてこのまま紫陽花を愛でるがいい。』

    『私も、花(君)を楽しむことにしよう…』

    真っ赤になって俯く夕鈴に視線をあわせて…そう言うと、
    陛下は、ゆっくりと紫陽花の小道を歩いていった。
     
    君を手離す気など無い。
    今までも、これから先もずっと
    君を抱きしめていたい。

    昨日までの雨の雫が、紫陽花を煌めかせる美しい小道を、
    黎翔は、夕鈴を抱き上げたままゆっくりと進む。

    梅雨休みの青空は、雲ひとつ無く。
    雨に洗われてドコまでも高く澄み切っていた。

    夕鈴は、陛下を意識して胸のときめきが早くなるのを感じた。
    黎翔も、自分の腕が抱える大事な愛しい温もりにときめきを感じた。

    誰にも内緒のそれぞれの秘密の恋。
    そんな気持ちは、恋する相手におくびにもださず、伝えずにいる
    …だけど、自身は幸せに満ちる。

    追い風の初夏の風が、二人を包んだ。
    もうすぐ暑い夏が訪れる…
     
    情熱的な萌ゆる恋がやってくる

    忘れられない二人の恋が、すぐそばまできていた。


    2013年
    07月04日
    10:15
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