花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】現代パラレル・医療もの『白衣の天使』




    爽やかな風が、黎翔の髪を撫でる。
    明るい青空、新緑の木々。

    「今日は、とても良い天気ですね。」

    僕の車椅子を押す白衣の天使が呟いた。

    『本当だね。散歩日和だ。』

    散歩道の傍らには、柔らかな色の花々が咲いている。

    その一つ一つを愛でながら、ゆっくりと僕らは歩く。

    「痛みは、いかがですか!?」
    「まだ、痛みます?」

    春スキーで、たまたま運悪く折ってしまった。

    僕の右足。

    仕事に、支障がでるからとPCの持ち込める個室のあるこの病院に転院した。

    折れたことは、不運だったけれど。

    折れたことで、君に出会えた。

    「…黎翔さん!?」

    ぼおっ…として、返事が来ない僕を心配して、君が正面に回り込む。

    「…どうしましたか?」

    心配気に僕の手に手を重ねた夕鈴。
    優しいハシバミ色の瞳が、僕を見つめる。
    一つに纏めた明るい金茶の髪。
    遅れ毛が、陽に透ける。

    癒やされる優しい声。

    この足が、このまま治らなければいいのに…

    昨日ギプスも外れ、
    ようやく退院の日も決まった。

    嬉しいはずなのに…
    寂しくて、名残惜しい気持ちが消えない。

    『なんでもないよ。夕鈴。』

    重ねた彼女の手をとり、僕は口づけた。

    びっくりして、真っ赤に染まる夕鈴に、囁く願い。

    『夕鈴、お願いがあるんだけど…』


    「はい。なんでしょうか!?黎翔さん。」

    『夕鈴、僕の専属にならない。』

    『退院したら、結婚しよう!』

    「ーーっ!」

    「本気ですか!」

    『夕鈴、真面目に考えてほしい。』

    『僕と結婚してください。』

    果たして、黎翔のプロポーズに白衣の天使はどう答えるのか?



    2013年
    05月16日
    10:54
    医療ものをリクエストした羽梨さんに捧げます。
    今日のMRIの看護士さん女性でした。
    可愛いナースだったけど、タネは落ちませんでした。
    MRIネタは、空振り…代わりにこちらをお納め下さい。
    約束は、守りましたよ!!
    関連記事
    スポンサーサイト

    管理者にだけ表示を許可する