花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    本誌設定【長編】 緑風―彼女のときめき―

    緑風




    後宮の一角。
    春の球根の優しげな色の花が咲きそろう四阿で、寛ぐ夕鈴と黎翔。

    爽やかな風は、豊かな春の香りを四阿にいる二人に届けてくれた。

    冬場、小さく固かった木々の芽は、柔らかな緑の小さな葉をようやく広げ
    春の太陽の光を浴びて競い合うように新緑に輝いている。

    その美しい刻に目を奪われる。
    一年で一番、生命の息吹の不思議さを感じさせる季節。
    止まった時間が急に動きだしたような、色鮮やかな世界に彼女の心は弾みだす。


    そんな夕鈴に、更なる胸弾ませる知らせが届いた。

    彼女の手づから淹れてもらった茶を一口飲んだ黎翔は
    「今日も、美味いな」
    愛する妃に労いのひと言を添えると、
    お茶を飲む手を休めて、彼女をまっすぐ見た。

    「夕鈴。
    あと数日で緑風の荘園から、特産の茶葉の献上品が王宮に届くという知らせが来た」

    ……愛する夫が、もたらした知らせ。
    それは夕鈴が心待ちにしていたものだった。
    そのことに、彼女の瞳が輝く。

    彼女のいつも淹れるお茶。
    その中でも、一番のお気に入りの茶葉。

    陛下も、夕鈴も一番大好きな春の香りのするお茶。


    この時期の緑風の荘園から、届けられる新茶は、緑茶(リュイ茶)の中でも特別で、
    東国の国の製法を取り入れた手間のかかる特殊なお茶だった。
    釜煎りで作られることの多い、白陽国の緑茶(リュイ茶)

    緑風の荘園の緑茶は、(リョク茶)と呼ばれ、東方国の名で呼ばれていた。
    東方国から伝来した製法の蒸す工程が取り入れられている緑茶(リョク茶)。
    その茶は、甘みがありまろみのあるとろりとした翡翠色の美しいお茶だった。
    甘味と旨みと渋みのバランスのとれた味も大変美味しいお茶である。

    夕鈴の瞳が輝く。
    「もう、そんな時期なのですね。
    緑風の新茶ですか……わぁ♪
    到着が今から楽しみです」

    急に、ウキウキしだした夕鈴。
    可愛らしい素直な反応に、黎翔は心から微笑む。

    「到着したら、真っ先に君に届けるよ。
    そしたら僕にお茶を淹れてくれる?」

    「もちろんですわ、陛下。
    陛下の為に、とびきり美味しいお茶を淹れて差し上げます」

    「その時は、一緒に飲もうね。
    夕鈴」

    「ハイ」

    「約束だよ」

    何だか弾んだ夕鈴の気持ちが、黎翔にまで伝わったようで……
    嬉しそうな彼女の様子に黎翔の心も弾みだす。

    春風に乗って……
    一足早く訪れた春の知らせに、
    二人はドキドキ・ワクワクしながら、茶葉の到着を待ちわびるのだった。


    ……「彼のときめき」へ 続く


    2016.01.31.改訂
    2013.05.03.初稿
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆

    5月2日は、新茶の日。
    ほのぼの・ぴあをめざします。できるかなーーー・・・


    携帯一発書きだと、全体が分からない(-"-;)
    関連記事
    スポンサーサイト
    643:管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

    2013.05.19 23:34 # [EDIT] 返信
    646:慎さん コメントありがとうございます。

    慎さん
    おはようございます。
    さくらぱんです。

    ほっこり癒されたら嬉しいです。
    そういえば、書きかけですね。
    続き書きたいと思います。


    さくらぱん

    2013.05.20 05:09 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1998:

    私立の試験、真っ只中ですね!(◎_◎;)
    お友達ご家族はピリッとムードで接触控え中‥(汗)
    さくらぱんさん娘ちゃんがんばー‼︎

    お茶のおはなしの再開〜(*^^*) 楽しみ〜(=´∀`)人(´∀`=)
    今日は鉄観音で家事を乗り越えました〜☆ なんてメジャーな。

    風の中のお茶はまた一段と美味しいですね〜
    閉ざされた茶室のイメージですが、格子窓や躙口を開けたまま部活すると苔など水分によって漂ってくる植物の匂いも座って御点前待つ役の時は良い時間でしたよ〜(*^^*)

    夕鈴、陛下の献上品が届くのを待つ間の情景も春風にのりこころに浮かびそうです!

    2016.02.02 01:26 タイフーンです(≧∇≦) #- URL[EDIT] 返信

    管理者にだけ表示を許可する

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。