花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】『夢の先…』 ※書き下ろし・SNS未公開作品



    咲き競う草原の花。
    5弁の白い花びら・・・ 黄色の花心。
    這うように…茎を伸ばす逞しい草花。

    長い冬を耐えてようやく咲いた花に実る
    甘く赤い宝石。

    苺。

    甘い香りに包まれた、草原に寝転び

    青空を見上げる。

    白い雲がぽっかりと、流れていく・・・・・




    「…とぅたま…みっけ」

    可愛らしい拙い呼ぶ声。

    幼子が、私を見つけて駆け出して来る。

    「とぅたま…かぁたまと私、コレ見つけたの。大好きなとぅたまにあげる♪」

    大事に抱えた手のひらに、赤く熟れた宝石のような苺が煌めく…

    『ありがとう!!  ○○○○…嬉しいよ。』

    金茶の髪、夕陽色した瞳の幼子がにっこりと笑う。

    笑うと、とても可愛い。

    見知った笑顔に、よく似ている。

    それだけで、愛おしさがこみ上げた。

    小さな手のひらから、苺を受け取り口にほうばると、甘すっぱい幸せな味。





    「…れ…し…」

    「…黎翔さま…」

    …遠くて、彼女が僕を呼んでいる。

    「あっ! かぁたま!」

    そう言うと、幼子は声のする方へと走って行った。




    白い花びらが舞う大地の先に、彼女が微笑む。

    暖かな陽射しが彼女らを包む。
    時間が止まったかのような至福のひととき。
     
    眼福の風景。

    はしばみ色した大きな瞳。
    風に靡く・・・・蜂蜜色した金茶の美しい髪。
    優しい微笑みの私のいとしい愛する…





    ……パチン☆

    ・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



    そこで、夢から覚めてしまった。

    代わりに、私を優しく揺り起こす白い腕(かいな)。


    「…へーか!」
    「陛下!…陛下!」
    「こんなところで、うたたねしていたら風邪をひきます。」
    「起きて下さい!」


    はしばみ色の大きな瞳が、私のすぐそばに…

    『…夕鈴』
    『おはよ…』
    『あれ!?あの子は?』

    「あの子とは、誰のことですか!?」

    『君と同じ髪の色した夕陽色の瞳の幼子だよ…』

    「誰も居ませんでしたが…夢でも見たのでは…」

    不思議そうに見つめる君に、僕は、とても残念な気持ち。

    …あれは夢だったのかな。

    夢の中で、君は僕の…

    ふと、気が付くと手の中に違和感。

    拳を開けると、甘い香りと苺のヘタ。

    夢の名残に目を見張る

    あれは、未来の僕達?

    手の中の残滓に目をみはる。

    《幸せな家族》の夢だった…

    僕が望む未来の家族。


    夕鈴が、僕の手のひらに気づく。

    「苺のへた?」

    不思議そうに覗きこむ夕鈴。

    『そうだね、苺のヘタだね。』

    夢の未来に後押しされた。
    夢は、夢のままでいられない。

    苺のへたに隠された僕だけの秘密。

    僕は、夢に現われた未来の妻にそっと微笑む。

    …きっと、あの子に会える…

    そう近い未来に。


    ―完―




    本日の誕生花は、苺
    花言葉は、『幸せな家族』『無邪気』
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    1531:管理人のみ閲覧できます

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    2014.01.31 15:01 # [EDIT] 返信
    1532:初稿【短編】『夢の先…』 

    咲き競う草原の花。
    5弁の白い花びら・・・ 黄色の花心。
    這うように…茎を伸ばす逞しい草花。

    長い冬を耐えてようやく咲いた花に実る
    甘く赤い宝石。

    苺。

    甘い香りに包まれた、草原に寝転び

    青空を見上げる。

    白い雲がぽっかりと、流れていく・・・・・




    「…とぅたま…みっけ」

    可愛らしい拙い呼ぶ声。

    幼子が、私を見つけて駆け出して来る。

    「とぅたま…かぁたまと私、コレ見つけたの。大好きなとぅたまにあげる♪」

    大事に抱えた手のひらに、赤く熟れた宝石のような苺が煌めく…

    『ありがとう!!  ○○○○…嬉しいよ。』

    金茶の髪、夕陽色した瞳の幼子がにっこりと笑う。

    笑うと、とても可愛い。

    見知った笑顔に、よく似ている。

    それだけで、愛おしさがこみ上げた。

    小さな手のひらから、苺を受け取り口にほうばると、甘すっぱい幸せな味。





    「…れ…し…」

    「…黎翔さま…」

    …遠くて、彼女が僕を呼んでいる。

    「あっ! かぁたま!」

    そう言うと、幼子は声のする方へと走って行った。




    白い花びらが舞う大地の先に、彼女が微笑む。

    暖かな陽射しが彼女らを包む。
    時間が止まったかのような至福のひととき。

    眼福の風景。

    はしばみ色した大きな瞳。
    風に靡く・・・・蜂蜜色した金茶の美しい髪。
    優しい微笑みの私のいとしい愛する…





    ……パチン☆

    ・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



    そこで、夢から覚めてしまった。

    代わりに、私を優しく揺り起こす白い腕(かいな)。


    「…へーか!」
    「陛下!…陛下!」
    「こんなところで、うたたねしていたら風邪をひきます。」
    「起きて下さい!」


    はしばみ色の大きな瞳が、私のすぐそばに…

    『…夕鈴』
    『おはよ…』
    『あれ!?あの子は?』

    「あの子とは、誰のことですか!?」

    『君と同じ髪の色した夕陽色の瞳の幼子だよ…』

    「誰も居ませんでしたが…夢でも見たのでは…」

    不思議そうに見つめる君に、僕は、とても残念な気持ち。

    …あれは夢だったのかな。

    夢の中で、君は僕の…

    ふと、気が付くと手の中に違和感。

    拳を開けると、甘い香りと苺のヘタ。

    夢の名残に目を見張る

    あれは、未来の僕達?

    手の中の残滓に目をみはる。

    《幸せな家族》の夢だった…

    僕が望む未来の家族。


    夕鈴が、僕の手のひらに気づく。

    「苺のへた?」

    不思議そうに覗きこむ夕鈴。

    『そうだね、苺のヘタだね。』

    夢の未来に後押しされた。
    夢は、夢のままでいられない。

    苺のへたに隠された僕だけの秘密。

    僕は、夢に現われた未来の妻にそっと微笑む。

    …きっと、あの子に会える…

    そう近い未来に。


    ―完―



    本日(5/4)の誕生花は、苺
    花言葉は、『幸せな家族』『無邪気』

    2014.01.31 15:04 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信
    1533:2013.05.04. 神樹さんへの誕生日プレゼント

    本日、お誕生日を迎えた神樹(かんじゅ)さんに贈った作品。
    花の四阿のみの公開。

    2014.01.31 15:06 さくらぱん #- URL[EDIT] 返信

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