花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】『楼蘭』―再会編―48  ※要注意!古代パラレル

    楼蘭





    謁見の間の中央を大勢の出迎えの人々が見守る中、長い裳裾をひいて
    夕鈴姫が父王の玉座のもとへと、静かに進んでいく。

    幾つも重ねた薄紅色のベールで花の顔(かんばせ)を隠し、
    控えめな襟ぐりや袖のデザインながらも、婚期の女性らしい豊かな胸と折れそうな細いウエストを強調させる
    白銀の錦の幅広の帯で引き締め、華奢で女性らしい豊かな曲線美を際立たせた謁見の衣装
    薄絹の薔薇色の衣装が、チラリと垣間見える彼女の白い肌を引き立たせていた。

    華奢な手首には、細い金細工の輪が連なる
    清らかな音は彼女の足元からも、一歩ずつ歩むごとに涼やかに聞こえた。

    薄紅色のベール越しに、夕鈴姫の艶やかな金茶の髪が揺れ動く
    微笑みの弧を描く明るく艶やかな薔薇色の唇が、歩みを止めぬ風にめくれベール越しに垣間見えた。

    夕鈴姫の柔らかで優美な微笑み。
    人々を魅了する楼蘭王女の微笑み。

    あれほどまでに焦がれ、毎夜夢にまで見ていた愛しい彼女の姿。
    なんて近くて遠い存在なのだろうか?

    今、目の前にいるのに触れ合えない。

    黎翔には、触れられないこの距離がもどかしかった。
    夢ではない本物の彼女の美しさに息を呑む。

    黎翔はドキドキ……と胸の動悸が早くて苦しい。
    呼吸さえ、ままならない苦しい時間が過ぎていく。





    ――――あの夜。

    自分だけを見つめてくれた彼女の美しい瞳。
    今は幾重ものベールに隠され見せない、その瞳。

    黎翔は、もう一度自分だけを見つめる
    夢見るような憂いを帯びたハシバミ色の瞳が見たかった。

    数日前の鮮やかな夢を思い出す。
    甘やかな口付けの夢の逢瀬。

    彼の腕の中で夕鈴姫は
    ――――花綻ぶような輝く笑顔で、微笑んでくれた。

    黎翔の心は夕鈴姫へと駆ける。

    彼女をここから連れ去り
    その花の顔(かんばせ)を隠すベールを剥ぎ取り

    思う存分、彼女の柔らかな唇に唇を重ね口付けたい。
    あの日のように……

    と、同時に夕鈴姫との出立の約束を思い出していた。

    「黎翔様。
    お願いがあります。

    ここで見聞きしたことは、お忘れください。
    私は、ロブ・ノールの幻(まぼろし)なのです」

    その約束を自分は守らなくては、ならない。
    彼女の為に、自分の為に。

    約束は約束。

    それでも燃え盛る恋の焔は、止めることは出来ない。
    夕鈴姫のその姿を、熱い想いで見守る黎翔。

    ロブ・ノール湖の離宮を出立して、彼女と別れてから一ヶ月も経ってはいないのに……
    それでも姫に恋する黎翔には、ずいぶんと逢っていないように感じられた。

    抱き締めたい。
    再会の喜びを、夕鈴姫と分かち合いたい。

    ひときわ熱い視線を送る黎翔は、彼女を熱心に見つめるのだった。

    ……再会編・49へ 続く


    2016.03.21.改訂
    2013.04.23.初稿









    ほにゃららら・・・diary_id=7777

    楼蘭にまったく全然関係ないのですけど、この日記、SNS7777の番号頂きました。なんか嬉しい。

    2013年04月23日18:20
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