花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【長編】『楼蘭』―再会編―47  ※要注意!古代パラレル

    楼蘭







    城を離れていた……
    この国の王女の帰還に、主だった貴族達が謁見の間に集まった。
    皆、夕鈴姫の成長を、ひとめ見ようと、自然に集まったのである。


    朗々とした夕鈴姫の到着を知らせる
    先触れの声が、謁見の間に響き渡る。

    ……と同時に、重厚な作りの謁見の間の中央の大扉が
    音も立てずに少しずつ大きく開いていった。


    薄暗い室内に目が慣れていた人々は、真昼の陽光の外の輝きに、誰もが目が眩んだ。

    ――――その眩い光の中に夕鈴姫は居た。

    人々が固唾を呑んで、見守る中
    静々と姫は、謁見の間の中央へと、歩を進める。

    ぴりり……とした人々の期待と緊張感、一斉に自分に集まる様々な視線を感じて
    夕鈴は、足が震えた。

    何も……考えるまい。
    ただ私は、父に挨拶しに来たのだ。

    背筋をピンと伸ばし、視線は真っ直ぐに……
    謁見の間の奥にいるであろう、父に久しぶりに会えることだけを
    彼女は考えた。

    会うのは、いつぶりだろう?
    なかなか会いに来てくれない父を、困らせる手紙を送ったこともあった。

    “父に、やっと会える”
    そう考えるだけで、夕鈴の心に勇気が湧いて
    自然と微笑みが浮かんだ。

    ひと足。
    ひと足。
    歩む……勇気が生まれた。

    静寂に包まれた謁見の間に、夕鈴の絹擦れる音だけがする。
    これだけの人々がこの場にいるというのに、話し声一つ、物音一つしない。

    皆の視線が、自分に注がれていることに、彼女は肌で感じていた。
    痛いほどの視線が彼女に突き刺さる。

    逃げ出したいのに
    ――逃げ出せない。

    見渡せば、長きに渡る楼蘭城の不在。
    昔なじみの見知った者は、少なかった。
    代わりに、目に付く漢帝国風の衣装。
    王宮内部にまで入り込む漢の役人に、夕鈴の緊張感が強まる。

    生まれ親しんだ温かな楼蘭王宮の名残は少なくて
    父王の苦労が忍ばれ、夕鈴は胸が締め付けられた。

    自分が城に居れば、少しでも父を慰められたのかもしれない
    という思いがしてならない。

    でも、夕鈴に残り少ない自由な時間をくれた父には
    彼女は深く感謝していた。

    きっと王宮では、監視のような帝国の目と耳が多くて
    自分は、伸び伸びと暮らせることなんて出来なかっただろう。

    王宮を去り、ロブ・ノールの湖に佇む離宮に隠れ暮らした年月。
    一時であっても、帝国の皇帝に嫁ぐ身を忘れられた。

    ロブ・ノールの離宮で、
    一生知ることは無いと思っていた、恋を知った。
    たとえ報われない恋と知っても、愛する心と ときめき を味わった。

    ――――そして彼女の楼蘭王女としての時間は、もうすぐ終わりを告げる。

    帰城すること。
    すなわち帝国への輿入れの日が迫るということ。
    チラリと、両脇の漢帝国の出迎えの者たちを見廻した時。










    ――――夕鈴に衝撃が走った。

    漢の武帝の使いである将軍の隣には、

    ロブ=ノールの離宮で、夕鈴が恋をした
    愛しい白陽国国王・珀黎翔王の姿があった。

    ……再会編・48へ 続




    2016.03.18.改訂
    2013.04.23.初稿

    忘れていますよね。
    【楼蘭】再会しますが・・・短期再開です。
    今回も短い。
    続きが気になっていた方、のんびりとお付き合いくださいませ。

    さくらぱん
    2013.04.23.初稿

    自分が、楼蘭忘れています。
    いきつ戻りつ……読み直して、また書いて。
    細切れで、うまく繋がっているといいんですが・・・
    大丈夫かしら?
    脳内変換がうまく書き表されているのか不安のひとことです。
    のんびりとお付き合いくださいませ。

    さくらぱん
    2016.03.18.改訂
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