花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    【短編】本誌設定『Cameoーカメオー』


    本誌設定・黎翔&夕鈴+α紅珠



    今日は、白陽国の夫婦円満の日だそうだ。

    昔から、お互いの愛の証に、贈り物を贈りあう習慣がある。

    特に、婚約や結婚の証として尊ばれたのがCameoーカメオーであった。

    宝石に色の違った層を利用して浮き彫りをした宝飾品で、その材質は瑪瑙(めのう)や貝殻などを使い時間をかけて丁寧に自分の姿を彫ったものを恋人に贈る習慣。
    精緻なものほど、高価な値のつく職人の芸術品だった。

    ある日のこと、紅珠が夕鈴のCameoーカメオーの話題に触れた。

    『陛下がお妃様に贈られた、Cameoーカメオーが見とうございます。』
    『陛下に愛されてますお妃様の カメオ さぞかし、素敵な品ですよね。』
    『陛下は、どのような カメオ をお妃様ににお贈りになられたのですか?』
    『参考までに、見せていただけませんか?』

    夕鈴は、焦りだす。
    偽の演技夫婦。もちろんそのようなものを贈りあう間柄でなく、もちろん贈ったことも贈られたことも無い。
    どのように、断わろうかと思案していると、ふいに・・・・

    『妃が困っている。そんなに、見たければ、私が妃から貰ったものを見せてやろう。』

    夕鈴の背後から、狼陛下(黎翔)の声。

    「陛下、いつこちらへ」

    振り向いた夕鈴の肩を、優しく抱きとめて

    『たった今だ。君の顔がみたくてな・・・・・。』

    そう言って、紅珠の目の前で掠めるように頬に口付けた。
    口付けられた頬を押さえて、顔が真っ赤に染まる夕鈴。

    その可愛らしさに、黎翔は、微笑むと
    自分の胸元から金鎖のカメオをとりだした。

    貝を精緻に彫り上げて金細工の枠を施したカメオ。
    地色のスモークピンクの空に、夕鈴の微笑む横顔が彫られてある。
    髪飾りの花びら、髪の一筋さえも生き生きと彫られたカメオに

    紅珠は、

    ほおっ・・・・

    とため息をついた。

    『さすがは、お妃様が陛下に贈られたカメオ。』
    『素晴らしいお品ですわね。』
    『思いがけず、よいものを拝見いたしました。』
    『陛下、ありがとうございます。』

    うっとりとして、黎翔の手の中のカメオに見入る紅珠に対し
    贈った覚えのないカメオの存在に、びっくりする夕鈴。
    はしばみ色の瞳を丸くして、カメオを見つめた。

    「・・・・・・・・・・。」

    じゅうぶん二人が満足した頃合を見計らうと、黎翔はカメオを懐に戻す。

    『君からの贈り物、いつも君が傍にいるようで、毎日身に着けている。』

    そう言って黎翔は、夕鈴に微笑んだ。

    『私が贈ったカメオを今度、見せてあげなさい。』

    そう言うと黎翔は、夕鈴に再び口付けて政務へと戻っていった。
    紅珠は喜んで、次回夕鈴がカメオを身に着ける約束をして、後宮を辞した。

    当然、困ったのは、夕鈴で・・・・・

    夜の黎翔のお訪いを今か今かと待っていた。
    ようやく政務を終えた黎翔が夕鈴の自室に来ると
    その手には、手のひらより大きい箱を持っていた。

    『夕鈴、遅れたが・・・・君への贈り物だ。』

    『君と出逢って一年、贈り物らしい贈り物は、受け取ってもらえなかった。』

    『コレだけは、受け取ってくれないか?』

    『君と出逢ったこの日にあわせ、君の為に造らせた。今後、きっと君の為になるだろう。』

    『夕鈴、開けてごらん。』

    出逢った日を覚えていてくれたことを夕鈴は、素直に喜び黎翔から箱を受け取った。

    そこには、黎翔の姿を彫った精緻な赤瑪瑙のカメオのネックレスが・・・・
    金枠に紅玉で飾られた大降りのカメオ。
    彫り込まれた黎翔の顔は、凛々しくもあり優しかった。
    いつも、夕鈴に対して向けられる甘い狼陛下の顔。
    真珠を6つ連ねたネックレスに仕立ててあったカメオ。
    真珠のアクセントに所々に紅玉も連ねているとても高価なネックレス。

    「・・・・・・・っ。」

    一目で、高価な品だと素人目で分かる品物。
    ・・・・・なのに、受け取れないと陛下に言えない。

    夕鈴の為に作られたカメオには、陛下の想いが込められている。
    躊躇している夕鈴に、黎翔は、優しく声をかけた。

    『首にかけてあげるよ。』

    黎翔からの贈り物は、ずっしりとして重かった。

    『思ったとおり、よく似合う。』

    『今度、紅珠と会う時は、それを身につけると良い。』

    『君に出会えて感謝しているんだ。』

    『こんなものでも、まだ足りない。』

    『私だと、思って身につけてくれ。』

    そこまで言われれば、夕鈴は受け取らざるを得ない。

    「陛下、ありがとうございます。」

    (演技とはいえ、夫婦。カメオの一つくらいは君に贈りたい。)
    (いつか本物の夫婦として、私の愛をその身に受けて欲しいな。)

    頬を染めてカメオを受け取ってくれた夕鈴を見つめて微笑む黎翔。
    その願いは、夕鈴への贈り物・赤瑪瑙のカメオに込められた。

    後日、後宮に遊びに来た紅珠を、天女さながらのカメオを身に着けた夕鈴が出迎えた。

    ーーーーーむろん、紅珠が喜んだのは、言うまでも無い。


    2013年
    04月22日
    01:31
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆

    本日、白陽国SNS地区の建国記念日・一周年。
    おめでとうございます。

    そして、ゆこ@管理人様、ここをつくってくださりありがとうございます。
    おかげ様で、たくさんの住民の方と出会えて、毎日楽しく暮らしています。

    &いい夫婦の日&誕生石は、カメオ(昔、婚約や結婚時に、愛の証として贈りあう習慣がヨーロッパにあったそうです。)

    2013年
    04月22日
    01:31
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