花の四阿

    Lala掲載の『狼陛下の花嫁』二次小説のブログです。某SNSで書き溜めた小説の他・イラスト・詩文・写真・徒然日記・一部鍵つきを掲載しています。

    0422 分館の秘密の味は蜜の味を更新しました。


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    こんにちは。
    お久しぶりです。
    さくらぱんです。

    久しぶりの蜜話の更新です。
    ただ単に、エッチなの書きたかっただけという。

    【蜜短編】銀糸の雨

    【現パラ蜜】 RED

    よろしければお楽しみください。

    2017.04.22.
    さくらぱん
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    【散文】桜の天蓋 ~さくらのてんがい~



    桜の天蓋-1



    見上げた空は
    桜の天蓋

    一筋の白い飛行機雲
    梢を掠めて何処へ行くの?

    麗らかな春の日
    小鳥たちの歌声と共に

    長閑な時間は過ぎゆく……


    桜の天蓋-2


    【長編】『楼蘭―風の行方―』 55  ※要注意!古代パラレル

    楼蘭


    「どうして……?」

    状況が呑み込めず、ぽかんと呟く夕鈴に
    熱い視線を送り、抱きしめる腕を強くする黎翔。

    夜目に夕鈴が慣れてくると、四阿の外に明々と焚かれた篝火
    四阿の天幕を仄かに明るくさせていた。

    僅かな明かりで抱きしめる人物を確かめると、それはやはり黎翔王だった。



    「貴女と別れ、逢えない日々。
    私は、ずっと貴女を想い慕い、貴女を夢に見ておりました」
     
    触れる彼の唇は、夕鈴の顔の輪郭を辿り
    耳朶に…頬に…額に

    「ずっと貴方に焦がれていた……夕鈴姫」

    ふたたび塞がれた唇は、先ほどよりも甘く情熱的だった。

    二度目の黎翔との口付け。
    不意打ちで唇を奪われたのに、不思議と夕鈴は嫌悪感を感じなかった。
    むしろ彼に求められていることが嬉しい。

    唇は……愛しい人を覚えていた。
    触れられた場所から、黎翔の熱が彼女の心に灯を点す。

    ……こんなにも黎翔王に求められ愛されていることに、夕鈴姫は胸が熱く締め付けられた。

    ロブ=ノールから別れて数日。
    ほんの数日だったというのに、何十年も会えなかったように淋しく感じた。

    情熱的な口付けに、おずおずと彼女も舌を絡ませる。
    黎翔は、そのことに気付いて微笑み、更に口付けを深くした。


    夕鈴も、また彼に心惹かれ求めていたことに気付いた。
    愛する人との口付けで、黎翔王を愛していることに気付けた。

    “好き……”

    甘酸っぱく切ない想いが、彼女の心を満たしていく。


    “いけない。
    私には、もう婚約者がいるのに……”

    “でも、もっと……口付けて”

    理性と本能が、せめぎあう。
    恋を知ったばかりの彼女に、彼の愛に抗う術は無かった。

    黎翔王との口付けが甘い。
    ふわふわと夢のように心地良かった。

    いつの間にか、彼の背を抱き
    覚えたばかりの二度目の口付けを、情熱的に彼女は求めた。

    全ては、良き思い出の筈だった。
    夕鈴姫の初恋。

    ロブ=ノールでの甘く優しい愛のひととき。
    もう忘れようと諦めた人だった。
     
    素敵な恋の思い出を秘め
    父と変わらぬ歳の皇帝の元へと嫁ぐ覚悟でいた。

    愛を告げずに終わった恋。
    そう彼女は思っていた。

    黎翔王は、父王から事情知り、私を諦めてくれるだろう。
    私を忘れてくれるはず……胸が痛いことだったが、あらがえぬ運命と知っていた。

    甘い思い出に縋り、彼女は異国で静かに朽ちていく筈だった。
    そう思っていた。


    ……でも 、そうじゃなかった。

    忘れようとしても忘れるはずも無い。
    初めて自分が愛した人を。
     
    二度目の口付けは彼女に、ゆるゆるとした変革をもたらす。
    恋を成就させたいと願ってしまった。



    彼を本気で愛していると知った今。
    彼と結ばれたいと思ってしまった。



    *****
    ********
    ***********


    彼女の身も心も蕩かす
    情熱的で熱砂のような黎翔王の口付け。
     

    あれほど頑なだった彼女か、彼に応え始めた。
    彼の求めに、あらがいは微塵もなく口付けに身を任す夕鈴。

    彼の背を華奢な彼女の腕がしがみつき
    そのことに無上の喜びを隠せない黎翔王は、ますます彼女を可愛らしいと思った。
     
    真っ赤な顔で口付けに翻弄される彼女。
    もっと……と
    強請るように、熱に潤んだ大きなハシバミ色の瞳が潤むと
    黎翔の心に歓喜が湧きあがり、どうしようもなくもっと泣かせたくなってしまう。


    “我ながら意地悪だな”

    と思うが、彼女が無意識に自分を煽るのだから仕方ない。


    誰にも見られることのない天幕の中の夜の四阿で
    ロブ=ノールで出逢った運命の恋人達は、お互いの再会を純粋に喜び合う。

    愛してやまない魂の片割れ。
     
    黎翔は、ゆっくりと彼女を床に押し倒した。


    “離れたくない……”

    “離したくない……”


    絡めあう四肢は、いつの間にかお互いの身体を求めてた。
    言葉はなく口付けで会話する恋人達。
    お互いの気持ちが一つに繋がった時間だった。

    楼蘭の運命が変わる。
    これから襲う楼蘭の悲劇を、二人は知るよしもない。

    四阿の外から馬頭琴の物悲しい音色が聞こえた。

    震える馬頭琴の音色を含んだ風が楼蘭に吹く。

    湖から吹き抜ける風は、タクラマカン砂漠を越えて
    はるかはるか遠くへと流れていった。

    吹く風は、さほど強くも無いのに
    サラサラと砂丘の形を崩し、瞬く間にその形を変える。
     




    比龍王は静かに楼蘭の街を見渡した。



    今は街の灯は 落とされ、静かな眠りの静寂が満ちる。


    比龍王が守ってきた平穏で豊かな楼蘭王国。

    苦渋に満ちたはしばみ色の瞳。
    比龍の 眉根に、皺が深く刻まれた。

    比龍は楼蘭王国・国王としてではなく、
    夕鈴姫の父として重大な決断をする時が迫っていた。



    ……続く


    2017.04.06.改訂
    2013.09.28.初稿

    春めく

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    エイプリルフールですが……

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